ウィールが回らない?修理方法を紹介

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スケボーを買ったときや、久しぶりに滑ったときにウィールの回転が悪いと感じたことはありませんか?状態がひどくなると怪我や事故の原因になることも。今回はウィールが回らない理由や修理、メンテンナス方法について紹介します。

ウィールが回らない理由はベアリングが原因

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ウィールの動きが悪い原因はウィールの中にあるベアリングという部品が原因であることが多いです。ウィールの回転はサイズ、柔らかさなど体重をかけて乗った際に影響します。ウィールの回転については、裏返しにして手で回してみるとわかります。

ベアリングとは?

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ベアリングとはウィールの中心に入っている部品のこと。小さなボールの力で軸を滑らかに回転させてくれます。ベアリングの性能次第で滑らかな加速、安定したスピードが得られるかどうかに関係する、非常に大切な部品です。

ABEC(エイベック)

ベアリングの回転に関する規格としてABEC(エイベック)というものがあります。ABEC5、ABEC7というように後ろに数字をつけて表現し、数字が大きいほど回転速度が速いことを指します。

こちらは、性能に関する指標となるので、比例して商品の価格も上がります。トリックをしない方や、スピードにこだわりたい場合はABECの数値が高いものを選びましょう。初心者やトリック重視であればABECの数値が低いもののほうが安定。ご自身のスタイルに合わせて数値を選定するのがおすすめです。

ボール数

ベアリング内部のボール数にも違いがあります。7個のものが一般的ですが、回転を高めるためにボールを6個にしているものがあることも。スピード重視の方にはよいですが、やや耐久性が落ちるのでその点は注意が必要です。

ベアリングには種類が2つある

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ベアリングにはオイルタイプとグリスタイプの2種類あります。タイプによってメンテナンス方法が変わるため注意が必要。まずはそれぞれのタイプについて紹介します。

オイルタイプ

メンテナンス用のオイル(油)をベアリングに注入することで悪くなった回転が復活します。定期的なメンテナンスが必要なため、メンテナンスせずに使っていると最悪の場合、回転が遅くなり壊れることも。メンテナンス後はグリスタイプよりも滑らかに回転します。

ベアリングは同じメーカーでもABECによってオイルタイプかグリスタイプが異なる場合もあるので注意しましょう。

またメンテナンス用のオイルはメーカー指定の専用のオイルを使用してください。一般に売られている工業用の潤滑油はさび止め成分などが含まれており、回転を妨げる原因になる可能性があります。一般的には1つのベアリングに、2滴か3滴が適量です。

グリスタイプ

グリスタイプでは半永久的に持続するグリスオイルを使用しているためメンテナンスがいりません。壊れるまで一定の性能を維持できるため楽に使えるため、初心者向けです。グリスタイプのベアリングにオイルタイプのオイルを注入すると故障の原因になるので間違わないように注意してください。

オイルタイプとグリスタイプの見分け方

ウィールに付いている状態での確認は難しいです。そのため、いったん外してから確認します。取り外す際にワッシャーも一緒に外れると思いますが、無くさないようご注意ください。

ベアリングにはシールドというカバーが付いていますが、オイルタイプの場合はメンテナンスをすることが前提のため、ほとんどのシールドが外れやすく作られています。シールドを外した際、中にグリスが注入されているかで判断できます。

修理方法!オイルタイプの場合

オイルタイプのベアリングについて、分解、メンテナンス方法を紹介します。まずは、オイルタイプかグリスタイプなのかをよく見て分解方法を確認してください。

専用オイル以外はホームセンターでそろえられます。基本的には、外して、分解、洗浄、拭き取り、オイルを注す、取り付けるという流れです。以下で紹介する手順は一般的なものであって、全てのベアリングに対応しているとは限りません。詳細は各メーカーの提供する手順に従いましょう。

用意するもの

・パーツクリーナー
・キッチンペーパーなどの汚れを拭き取るもの
・精密ドライバー
・ピンセット
・綿棒
・ベアリング専用オイル

手順

  1. ウィールを外してベアリングを外す。
  2. パーツクリーナーを吹きかけ、キッチンペーパーで汚れを拭き取る。
  3. 精密ドライバーでリテーナーを外す。リテーナーとはベアリング内部のボールを均等に配置するスペーサーのこと。
  4. リテーナーを外したベアリングを容器に入れ、パーツクリーナー液に浸して洗浄する。
  5. 取り出して拭き取る。リテーナーもパーツクリーナーを使って汚れを拭き取る。ボールは綿棒を使うと拭き取りやすい。
  6. 専用オイルを1つのベアリングに対して2~3滴注す。
  7. 何度か回しながらオイルをなじませる。
  8. リテーナーを忘れずに取り付ける。
  9. これを8個全てに実施する。

メンテンナスの頻度については、ベアリングの回転が悪くなったと感じたら実施することをおすすめします。さらに、オイルが少なくなるとウィールの回転音が変わるので、それを目安にしてもよいでしょう。

修理方法!グリスタタイプの場合

グリスタイプのベアリングについて、メンテナンス方法を紹介します。

グリスタイプ

基本的に修理不可となり交換になります。理由はグリスという粘度が高い油を注入しふたをしているため動きが悪くなるまで長期間にわたってメンテナンス無しで使えるためです。

デメリットはベアリングの動きが悪くなったらメンテナンスをして使えるかというと、その使い方はできません。ベアリングの交換はウィールを取り外し、ウィールの中に付いているベアリングを外すことで対応します。1つのウィールに2つベアリングがあるため、全8個です。

交換方法

1.ウィールを外す
トラックの先にあるナットを1つ外せばウィールが外れます。このときの注意点としてはワッシャーも一緒に外れるのでなくさないことと、入れる順番を覚えておくことです。

一度経験すれば難しいことではありませんが初めてのときはわかりにくい場合もあるのでメモなどして対応しましょう。

2.ウィールからベアリングを外す
専用工具があるので、そちらを使えばすぐに外せます。

3.ベアリングを専用工具の先端に引っ掛ける
入れた工具を斜めに引き抜きます。

4.新しいベアリングを付ける
取り付けの際にはベアリングの向きに注意してください。グリスにふたをしているシールドを外側に取り付けます。

5.ウィールを取り付ける
外すときと同様に専用工具を使えば簡単に取り付けができます。ウィールにベアリングをセットして後は押し込むだけです。このときの注意点としては、最後までしっかりと押し込まないと真っすぐ入りません。最後までしっかり入れないとベアリングが斜めになってしまいウィールの回転が悪くなり、回らなくなります。

まとめ

今回はウィールが回らないときの対応方法としてベアリングの交換、修理方法、メンテナンスについてまとめました。ベアリングはオイルタイプとグリスタイプがあり、オイルタイプは定期的にメンテナンスをして使う必要があります。グリスタイプはメンテナンス不要ですが、故障時には交換をしなくてはいけません。特にウィールは消耗品のため、定期的に状態を確認し、無理をせずに早めの交換しましょう。

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