スケボーをはじめる初心者にとって、デッキやパーツの選び方は大きな関心事でしょう。初心者は全てがセッティングされているコンプリートがおすすめといわれています。しかし、1つ1つパーツを選んでいくのもスケボーの楽しみ方。ここでは初心者にもわかりやすいパーツの選び方を説明します。
初心者でもわかりやすいスケートボードの仕組み
スケートボードにはどのようなパーツが使われているのでしょうか。初心者はパーツを選ぶ前に、まずはスケボーの仕組みを理解する必要があります。仕組みがわかれば各パーツの働きもわかってくるので、選ぶ時に役立つはずです。スケボーの仕組みは主に3つのパートで構成されています。それぞれを具体的に説明していきましょう。
足を乗せるパーツ【デッキ(板)】
スケートボードで一番目立つパーツが「デッキ」です。足を乗せる板の部分で、走らせるだけではなく、跳んだり回転したりと色々なトリックを操作できます。
デッキの前方をノーズ、後方をテールと呼び、スケボーを操るポイントになる場所です。デッキの構造は基本的7~9枚のベニヤがプレスされています。
選ぶ時にはサイズが重要です。間違ったサイズを選ぶとバランスが乱れ、上達に影響することも。自分の個性を表すためにはデザインやカラーがポイントで、それを選ぶ時が一番楽しいでしょう。
デッキを支えるパーツ【トラック】
デッキの下にはウィール(車輪)を取り付けるための「トラック」があります。トラックは金属製の部品で、ベースプレート、ハンガー、ブッシュ、キングピン、アクセルナット、ワッシャーなど細かい部品から成り立っている重要なパーツです。
トラックを選ぶ時はデッキの太さに合わせたサイズ(横幅)になります。トラックの幅とデッキの幅が合っていなければ、グラつきやすくなることがあり、思うように曲がれないなどの不具合が生じることも。
また、トラックには「ハイ」と「ロー」という車高があるので、選ぶ時にはどちらかを選択することになります。
滑るためのパーツ【ウィール(車輪)】
スケボーはデッキの下についている車輪で動きます。このパーツをウィールと呼びます。ウィールは車のタイヤのようなもので、滑りやすさやスピードに関わる重要なパーツです。ストリート向けの「ハードウィール」とクルージング向けの「ソフトウィール」があり、自分の乗り方を決めておく必要があるでしょう。
ウィールを選ぶポイントは大きさ(直径のサイズ)と硬さです。また、1つのウィールにつき「ベアリング」が両サイドについています。スケボー1台に4つのウィールがあるので、合計8つのベアリングが必要です。ウィールを選ぶ時はベアリングにも注意してください。
以上の3つのパートでスケボーは構成されています。次にそれぞれの具体的なパーツについて紹介しましょう。
オリジナルのスケートボードを作るための部品たち
自分だけのオリジナルなスケートボードを作るためには、パーツを1つ1つ慎重に選ぶ必要があります。スケボー初心者にもわかりやすいように、各パーツを選ぶ時のポイントについて説明しましょう。
デッキ
スケートボードではじめに選ぶのが「デッキ」、足を乗せる板の部分です。以下、選び方のポイントをまとめたので参考にしてください。
①カラーとデザインは自分の好みで選ぶ
自分だけのオリジナル感をだすためには、自分の好みで選ぶことが大切です。好きなデザインのスケートデッキであれば、スケボーの楽しみが増えて上達も早くなることでしょう。
②幅と長さのサイズを選ぶ
スケボーのサイズは横の幅と縦の長さがありますが、初心者の場合は長さよりも幅のサイズを慎重に選ぶことが大切です。サイズはインチといい、1インチ=2.54センチと覚えてください。
一般的に、男性は8.0~8.2インチ。女性は7.5~7.7インチが適しているといわれます。これは平均的なサイズです。
横幅サイズの細いデッキは、回しやすく、力のない方でも扱いやすいのが特徴。太めのサイズは安定感があってスピードがつけやすいのが特徴です。
トラック
トラックを選ぶ時のポイントは、横幅と高さのサイズです。横幅は取り付けるデッキの太さに合わせるので、はみ出さないものが選ぶ時の基準になります。高さは「ハイ」と「ロー」のどちらかを選ぶことになります。初心者は高さの低い「ロー」がおすすめ。以下に両者の特徴を説明するので、参考にしてください。
①「ハイ」の特徴
地面からデッキまでが高くなるので、大きなウィール(車輪)が使えます。トラックの可動領域が広くなり、ターンやジャンプなどがしやすいです。
②「ロー」の特徴
地面からデッキまでの距離が短く、車高が低いので安定感があります。デッキコントロールがしやすく、脚力のない女性に向いています。
ウィール
ウィールの大きさ(直径)を選ぶ時は、トラックの高さに合わせます。高さが低いトラックに大きなウィールを取り付けると、デッキを方向けた時にウィールと接触して危険です。ウィールは大きいほどスピードが出やすくなりますが、大きい分重たくなるのでトリックがやりづらくなります。
初心者にはトラックが「ロー」のものがおすすめなので、ウィールの直径もそれに合わせて小さめのサイズになります。
ウィールを選ぶ時は硬さがポイントで、「A」という表記で確認します。数字が大きいほど硬く、小さいほど柔らかいです。初心者にはストリート向けの「ハードウィール」で、98A~99Aの硬さがおすすめ。この硬さであれば、オールラウンドに楽しめます。
ベアリング
ベアリングはスピードに影響するパーツで、ウィールの両サイドの穴にはめて使用します。足でプッシュする力が、ベアリングによってウィールの回転に伝わる重要なパーツです。
ベアリングの回転しやすさは「ABEC(エイベック)」で表記され、数字が大きいほど回転しやすくなりスピードが出ます。初心者はスピードを抑えたABEC3やABEC5がおすすめ。
ベアリングと同じく大切なのがオイルです。ベアリングの回転に影響を与えうオイルは、「グリスタイプ」と「オイルタイプ」があります。初心者にはメンテナンスの手間がかからないグリスタイプを選びましょう。
その他のパーツ
紹介したパーツの他にも、必要なものがあります。特に「スペーサー」「デッキテープ」「ビス」について知っておく必要があります。
①「スペーサー」
1つのウィールには2つのベアリングが装着されますが、その間にスペーサーを入れると回転がよくなります。それだけでなく、平行度がキープできるようになるという特徴も。初心者には必要ないかもしれませんが、上達した時には使ってみてください。
②「デッキテープ」
足を乗せるデッキに貼るのがデッキテープ。これを貼ると足が滑りくくなり、トリックがやりやすくなります。「目の粗い」ものと「目の細かい」ものがあり、粗いテープの方が足の食いつきがよく、デッキを動かしやすいです。細かいテープは抵抗が少ないので、スタンスを変えやすいのが特徴です。
まだトリックができない初心者は、スタンスを変えやすい方が使いやすいでしょう。
③「ビス」
ビスはデッキにトラックを止めるために使います。ビス(ナットを含め)は8本必要ですが、通常は7/8~1インチのものを選びます。
スケートボードの組み立て方法
紹介してきたパーツが揃ったら、いよいよスケートボードの組み立て(セットアップ)に入ります。ここでは組み立てに必要な工具と手順について説明しましょう。
工具
あると便利な工具が「スケートボード用専用ツール」です。これ1つあれば、パーツを組み立てることができます。ドライバーやペンチ、レンチなどがあれば代用できますが、ネジ山をつぶしてしまう恐れがあるので、専用ツールを使った方が安心です。
また、デッキテープを貼り付ける時に必要なのが、「カッター」と「棒やすり」です。
組み手立ての手順
手順はわかりやすいように番号順で説明します。
①デッキにデッキテープを貼る
②デッキにトラックを取り付ける
③ウィールにベアリングを取り付ける
④トラックにウィールを取り付ける
取りつけのポイント
気をつけたいのは、トラックをデッキに取り付ける場合です。トラックを傾斜させた時、デッキとウィールが接触しないようにしてください。ウィールのサイズが大きすぎないものを選ぶことが重要ですが、取り付ける時の締め付け具合を調整しましょう。
ビスの取り付けは、1つずつしっかり締めるのではなく、対角線上に交互に仮止めをしてから、全てをしっかり締めるのがコツです。
初心者でも選びやすいデッキ&パーツ
パーツごとに様々な商品があり、迷うと思います。ここではおすすめのデッキとパーツを紹介します。選ぶ時の目安にしてください。
デッキ(ストリートタイプ)
初心者に適しているストリートタイプのデッキを4つ紹介します。
①「GIRL(ガール)|スケボーデッキ タイラーパチェコ」
「GIRL」はスケボーブランドの定番で、幅広いサイズのものが多く、初心者向き。女性のアイコンが印象的で、シンプルながらビビッドな配色です。
②「blank appalel|ブランクデッキ」
サイズ展開とカラーバリエーションが豊富なブランドで、値段がリーズナブル。初めての方におすすめです。裏面に絵柄がないので、ステッカーを貼るなどオリジナルなアレンジが楽しめます。
③「ZOO YORK(ズーヨーク)|TEAM BOWERY 7.50」
ニューヨークのブランドで多くの方に愛されているデッキです。安定感にすぐれており、初心者でもバランスが取りやすくおすすめ。
パーツ
初心者におすすめパーツは、トラックとウィールのブランドについて紹介しましょう。
①「BYBAIZ」(トラック)
ブランドにこだわらない方向けのトラックで、リーズナブルなので初心者の方に適しています。3段階の高さが用意されているので、レベルに合わせて選べます。
②「INDEPENDENT」(トラック)
耐久性のあるトラックで知られているメーカーです。バランスの取れた乗りやすいトラックで、初心者にも扱いやすいでしょう。長く乗りたい方におすすめ。
③「SM BLANKS」(ウィール)
スケボーの組み立てがはじめての初心者におすすめの、シンプルでコスパの高いウィールです。国産メーカーで、これから色々な練習をしたい方に向いています。
④「MURUFAMG」(ウィール)
音が静かなので、周囲を気にせずに練習できるウィールです。シンプルでコスパも高いので、はじめてのスケボーにはぴったりです。
まとめ
今回はコンプリートではなく、自分の好みで選びたいスケボー初心者のために、仕組みや選び方、パーツの特徴、おすすめブランドなどを紹介してきました。わかりやすいように基本的なポイントに絞って説明したので、実際の組み立てに役立ててください。
自分で選んだパーツで組み立てると、スケートボードへの愛着がより強くなります。組み立てる工程を体験することにより、スケボーへの理解が深くなることでしょう。組み立てることもスケボーの楽しみの1つです。ぜひ、自分だけのオリジナルなスケボー作りにチャレンジしてください。