130年の歴史ある「NIDECKER(ナイデッカー )」をご存知ですか?名前は知っているけれど、どんなブランドかよく知らない…、どんなボードを作っているのかよくわからない…など、意外とウィンターブランドの情報って少ないですよね。そういったユーザーの声にお答えするべく、Grab編集部がわかりやすくこの老舗ブランド「NIDECKER」についてご紹介します!
130年以上続く老舗、「NIDECKER(ナイデッカー )」をご存知?!
1887年にスイスで誕生したNIDECKERは、ヨーロッパで最も古いスノーボードブランドです。当初は木製タイヤを販売、木を曲げる技術を応用し、スキー製作に着手します。その後NIDECKERは、異なった種類の木をブレンドさせたスキーの開発に成功。その後最初となる50本のスノーボードも発表します。
現在では、発明や新技術の展示会、第6回Varia-Clix国際展にて金賞をはじめ、木材溶着技術ではEUROSIMAの革新的スノーボード・テクノロジー賞や、ヘンリー・ナイデッカー・シニアが、EUROSIMAのライフタイム・アチーブメント賞を受賞。YES SnowboardがEUROSIMAのブレイクスルー・ブランド賞を受賞するなど、数々の素晴らしいスノーボードを生み出し続けるブランドなのです…!
ナイデッカーを運営するのは、ボード愛のある3兄弟!
出展:© Ndk Group
兄弟で運営されるNIDECKERは、3人それぞれが得意とする分野を担当し、長男は長期のビジネスビジョンや、ブランドマネジメント、次男は商品の開発や「jones」のブランドマネジメントなどを担当しています。そして、今回お話を伺ったセドリックさんは主にセールスを担当。
今回インタビューしたのは三男坊のセドリックさん
武勇伝!ナイデッカーのセドリックさんはこんな人
今回、インタビューをさせて頂いたセドリックさんは、本当にスノーボードを愛する方で様々な武勇伝をお話してくださいました。
①ナイデッカーデビューは10才
長年続く家系でありながら厳しく育てられ、お菓子を買うのにもおこづかいをもらえなかったそう。そのため、10才からNIDECKERの倉庫で掃除をして、おこづかいをもらっていました。のち15才からフルタイムで働くようになります。
②スノーボードが好きで…!
幼い頃から様々なボードがある環境で育ち、夏はスケートボード、冬はスノーボードというライフスタイルをおくっていました。そのため、ケガも多く、ヘリで4回、救急車で3回運ばれた経験の持ち主。実際に医者からジャンプや、走る、飛ぶなどを止められて、腰を悪くしながらも、構わずに今でもスノーボードを楽しんでいます。
③NIDECKERへの想い
入社当初から父に3兄弟で運営を任されたセドリックさん。会社を受け継いだ理由は本当にスノーボードが好きで、NIDECKERという会社をより良くしたかったため。なので、いいポジションじゃなく、例え倉庫の掃除をお願いされても構わなかったと語られました。
変革と挑戦!ユーザー目線にこだわり続けて作るプロダクト
━━━2017年にFLOW 開発とイノベーション強化のため、NIDECKERグループにFlow Snow boardingを迎え入れ、2018年にはNIDECKERとFlowブーツを合併されましたよね。どんな想いでグループになったのでしょうか?
セドリック:NIDECKERの使命はスノーボーダーが雪山に行き、ターンをした時に笑顔になってもらうことです。それを叶えるために日々、商品づくりを行っています。だからこそ「FLOW」をグループに招き入れました。スノーボードは一面的なものではなく、色々なスタイル、環境、ライディングをする人がいます。
その全ての人を、NIDECKERだけでカバーしようとすれば、時間を分散するため、中途半端な製品開発になってしまいます。それでは、全然いい商品は作れないですよね。そこで、カテゴリーごとにコミットしたブランドが専任して商品を作る方が、ユーザーにとってもクオリティの高い商品が提供できると思ったんです。
フリーライドカテゴリー担当者だったら毎日フリーライドを楽しみ、寝る前までそのブランドについて考える人が理想的です…!だからシュリロ
セドリック:グループ会社だからこそできる強みも多くあります。例えば、通常ブランドはマーケティングや、商品について考えるのが重要ですが、運営するにあたりそれ以外の雑務にも対応しなくてはなりません。その基礎のプラットフォーム部分のロジスティックスやマネージメント、経理などをナイデッカーグループが担当することで、よりプロダクトに集中できるようにしています。
グループ会社とはひとつの家族みたいなもので、ブランドは兄弟みたいな存在。普段は兄弟のように競争意識もあれば、何か困ることがあれば、みんなで集まって問題解決を行なえるのが強みです。
カッコイイものはカッコイイ!直感と緻密なプロダクト
━━━今季、復刻モデルがありますが何か理由があるのでしょうか?
セドリック:だって、クールだからね!毎朝起きて、窓の外を見るとフランスの一番有名なモンブランの山が見えます。そして、いつも見えるところに歴史的なボードたちが飾ってあり、それを眺めるたびに「やっぱりカッコいいな!」と思っていました。
セドリック:「また、モンブランという山で使ってみたい!見てみたい!」という思いがあり、復刻が実現しました。通常だったら商品を出す際に、株主、出資者にカラーリングや前衛的なデザインは止められる場合もありますが、私たちはそんなの関係ありません!私たちがカッコイイと思った色、板を常に発売していきます。
1986年、スイスのNIDECKER工場で制作されたこのモデルは、特別なグラフィックを纏った歴史的な1本です。フリーライド・シャモニーの山のひとつであるモンブランから麓までを初めて駆け抜けた最初のスノーボードで、アメリカでベストデザイン賞を受賞しています。最高峰のカービング技術と現代のフリーライドボードの汎用性をブレンドさせることで、過去の礎と現代のテクノロジー、デザインを組み合わせています。
実は日本人にも抜群のスノーボードアイテムだった!
━━━スイスのブランドですが、日本で使うにも適しているのでしょうか?
セドリック:スイスのDNAはもちろん刻まれていますが、スイスだけでなく、多くの日本の意見を反映するなど、日本にR&D(開発チーム)達がテストをしによく訪れています。むしろ近年は、日本のパウダーが人気のため、しょっちゅう日本に来ています。だから日本向けに商品が作られているといっても過言じゃないかもしれません。
━━━なるほど、そうなんですね!では、日本のどんな人に使って欲しいですか?
セドリック:常にいろんなライダーに対して、テクノロジーを提供するというのが、ナイデッカーの考え方で、エントリー層はもちろんですが、その中でもカービングというジャンルはナイデッカーのDNAの中に組み込まれているので、そこの人たちに使ってもらえると嬉しいです。
スノーボードをするのも環境を汚すべからず!
環境を考えつつ、遊び心を♪
セドリック:地球環境に関してもフォーカスしています。私達は出資者のために、お金を稼いでいる訳ではありません。スノーボードのカンパニーとして、環境のために使う必要があればすぐ判断し、対応ができます。商品を作る際も、地球環境のために耐久性を上げることで、長期間使用できるようにし、環境汚染を少しでも改善することを考えています。
その一貫で、アメリカのオフィスでは、自分達の座るベンチや、マウンテンバイクのジャンプ台など、様々なものをスノーボードを再利用して使われています。
これからも目が離せない!今後の展開・展望
セドリック:社会貢献することはNIDECKERにとって大きな使命です。NIDECKERで大事だと感じていることは、環境保全、工員たちの安全性。幼い頃から工場で働いてましたが、その環境は全然安全ではありませんでした。なのでより安全な環境を作ること。
そして、社員たちの労働環境を向上させること。例えば、この会社で働く上で、ポジションのステップアップが常に可能なこと、人種差別や、パワハラ、モラハラなどない環境にすることに努めています。これは自分たちの会社だけでなく、パートナー企業に対してもお願いしています。
自社が推進している労働環境をしっかり理解し、運営しているかランキングにして、ちゃんと守ってるところには、スノーボード業界でしっかりとした地位が得られるように手助けしています。大事なのは、皆んなが笑顔になる環境、そこで作られたアイテムもユーザーを笑顔にするブランドであることです。
まとめ
いかがでしたか?NIDECKERの熱い想いが伝わってきましたでしょうか。一つに集中することで、発揮される力は絶大ですね!こだわり、スノーボード愛がひしひしと感じられました。また、続編で今季日本限定販売されるNIDECKERの商品もご紹介するので、楽しみにしていて下さいね♪
公式ホームページはこちら:NIDECKER