波を颯爽と乗りこなす「サーフィン」は格好良いですが、初心者にとっては少々ハードルが高いマリンスポーツ。そして、サーフィンの一種と思われがちな「ボディボード」。実はサーフィンとは全く異なるマリンスポーツで、初心者でも気軽に楽しめるスポーツです。この記事では2つの違いを解説!あまり知られていないボディボードの魅力に迫っていきましょう。
ボディボードとサーフィン
サーフィンってこんなスポーツ
サーフィンはイメージ通り、波にボードを乗せてその上に立ち、波乗りを楽しむマリンスポーツ。格好良いですが、それなりの練習期間が必要とされ、ある程度の筋力と体幹を必要とするスポーツです。ではボディボードとは何でしょう?
ボディボードってどんなスポーツ?
実はボディボードは、サーフィンとは別物のマリンスポーツ。ボディボードは1970年にトム・モーリー氏によって、サーフィンを初心者でも手軽に楽しめるようにと考案されたマリンスポーツです。サーフボードよりも大きめの板に上半身を乗せ、足にフィン(足ヒレ)をつけて腹ばいの状態で波乗りを楽しみます。水面と目線が近いため、サーフィンより体感速度を早く感じれ、スリルや波との一体感を楽しめます。
力がなかったり、泳ぎが苦手な方でも、フィンを着用することで推進力が格段にアップ。少ないキックでグングン進みます。ボディボードはサーフボードが大きくて乗りやすいだけではありません。合成樹脂の柔らかい素材でできているため、もしボードが自分や他の方にぶつかっても、ケガをするリスクが低くて安心。子供から老人まで安心して楽しめます。
イメージとしては、プールの授業で使用したことがある、ビート板の波乗りバージョンのようなものです。道具を揃えるための費用も安いと3000円〜、本格的なボードでも10万円ほどで購入できます。手軽に楽しめるマリンスポーツで、サーフィンよりも幅広い層に楽しまれているといえるでしょう。
使うアイテム
ボディボードをする際に必要なのは、ボードとフィン。サーフィンのサーフボードのサイズ選びでは、160~190センチのショートボード、200~260センチのファンボード、274センチ以上のロングボードがあります。長さによって安定感を選ぶか、小刻みなアクロバティックな動きを選ぶかなど、サーフスタイルに合わせたボード選びが必要です。
ボディボードに関しては上半身をボードに乗せて波に乗るため、それぞれの身長や体重に合わせたボード選びが必要です。
最適な長さは膝の皿〜顎までといわれています。しかし幅が広ければ広いほど安定感がある訳ではありません。小柄な方が幅広いボードに乗ると、その分体重移動が難しくなります。逆に大きめの方が細いボードに乗ると、安定感がなく転覆しやすくなる可能性があるので注意が必要です。
サーフボードにはフィンがついているので、推進力があります。しかし、ボディボードにはフィンがついていません。そのため、ボディボードでは足にフィンを着けて、バタ足で推進力を得る必要があります。
他には、リーシュと呼ばれるボードが流されないように、手首や腕と繋ぐコードを使用することをおすすめします。流されてしまったボードを、取り戻しにいくのは一苦労。ケガをしにくい素材でできているといっても、万が一流されたボードが、周りの方にぶつかってしまっては大変です。そうならないためにも、手首や腕にリーシュコードをつけて、ボードが離れてしまわないようにおきましょう。
またフィンソックスと呼ばれる、フィンを装着する前に履くウェット素材のソックスを履くのもおすすめ。フィンを長時間つけていると、ふやけた足が擦れて靴ずれのような状態になってしまうことがあります。さらに、海につかりっぱなしの状態だと足先が冷えてつりやすくなってしもうことも…。フィンソックスを履けば足が冷えにくくなるので安心です。
テイクオフの体勢
必要なアイテムが分かったところで、次は実際にボディボードに乗る方法を紹介します。ボディボードの基本姿勢やテイクオフのタイミングや体勢を学んで、早期上達を目指しましょう!
サーフィンでは波に乗って立ち上がった瞬間をテイクオフとしますが、ボディボードではボードが波を滑り始めた瞬間をテイクオフとします。ボードの上に立つ必要はなく、波に乗ってしまえばいいので、テイクオフもサーフィンほど難しくありません。
ボディボードの乗り方の基本姿勢は、ボードの上に腹這いになり、肘を90度に曲げて、ボードのノーズ(先端部分)を掴んだ体勢です。肘はボードからはみ出したり内側になりすぎないように注意が必要。太ももから下は自由に動かせるので、足のフィンを使って自由に進めます。
波が来たら肘を伸ばし、少しノーズを下に向けてうねりが自分を押し上げてくるのを待ちましょう。そして波が押してきたら、肘を基本姿勢の90度に戻してキックオフ!目線は進行方向に向けて、波との一体感を楽しみましょう!
海に浮かんでいる時は水面と平行に、ボードはバランスをとりましょう。しかしテイクオフの時に同じ角度だと、テール(ボードの後方部分)が水に沈んでしまい、ブレーキがかかってしまいます。その結果、波に乗れずに置いていかれるので、注意が必要です。
ノーズを少し下げることでテールが浮き上がり、滑らかに滑り出せます。しかし、ノーズを下げすぎると沈んでしまい、転覆してしまうこともあるので、何度か練習してちょうど良い角度を探しましょう。
基本姿勢さえしっかり出来ていれば、ボディボードのテイクオフはそれほど難しくありません。基本姿勢をしっかり覚えて、波を怖がらずにノーズを少し下げることを意識して波乗りをしてみましょう。
それぞれ異なる醍醐味がある
ボディボードはサーフィンと比べると、誰でも波に乗りやすくしたスポーツなので、サーフィンのおもしろさに欠けるのでは?といった心配もあるかもしれませんが、そんなことはありません。
サーフィンにはサーフィンのおもしろさ、ボディボードにはボディボードのおもしろさがあります。
どちらも波に乗るといった、共通した楽しさを味わうことができますが、サーフィンはテイクオフが難しく、初心者はボードの上に立つことすら難しいもの。一方で、その困難を乗り越え、大きな波に乗ったり、難しい技に挑戦したりと、自身の力で波に乗れるようになった時には、アクロバティックに海を滑る爽快感、大きな達成感が味わえます。
ボディボードは足にフィンをつけるので、サーフィンのようにパドリングの必要がなく腕力を必要としません。誰でも乗りやすく、初心者でも最初から楽しめるマリンスポーツです。さらに、水面と目線が近く、体感速度が速いため、サーフィンとはまた違った波との一体感と爽快感を味わえるという魅力もあります。のんびり波の上を滑るだけと思ったら大間違いです。ボディボードもスピンやリバーススピン、波のリッピを使用すれば、横回転するエルロロといった技を繰り出し、アクロバットに波が楽しめます。
サーフィンではテイクオフに手こずった方も、ボディボードでは簡単にテイクオフを成功させられる場合があります。波に乗るといった点では、共通するスポーツです。ボディボードを経験した後に、サーフィンにチャレンジする方もいるようです。
いきなり難易度の高いサーフィンにチャレンジするのではなく、まずはボディボードからマリンスポーツの楽しさ、波に乗るタイミングや乗り方などを身に着けるのもおすすめです。スキルアップの段階でサーフィンにチャレンジしてみると、案外上達が早いかもしれません。
まとめ
ボディボードという名前を聞いたことはあっても、どんなものなのかよく知らなかったという方もいるでしょう。気軽に波乗りを楽しめる、ボディボードというマリンスポーツがあることを覚えておいてください。そして、少しでも興味を持ってもらえたのであれば、ぜひチャレンジしてみてください!
乗って爽快な「ボディボード」に挑戦!初心者でも分かりやすいボードの選び方。