スケートパークは、ランプやレール、ボックスなどのセクションがたくさんあり、思う存分スケートボードが楽しめる場所です。この記事では、スケートパークの設備のセクションを中心にそれぞれの名称をご紹介します。パーク選びの参考や練習メニューの検討をする場合などにぜひお役立てください。
セクション名を把握して、自分にあった練習をしよう
・スケートパーク
スケートボードのほかBMX、インラインスケートの3つのスポーツを楽しむための専用施設です。室内、屋外の両方があり「ヘルメットの着用」「禁酒」「禁煙」「飲食禁止」など、施設ごとに利用のルールがあります。
・アール
英語の「radius(半径)」の頭文字をとっており、「パンピング」や「ロールイン」などの湾曲しているセクションを使って円を描くセクションの総称です。また、設備の曲率についてR2500のように「R」と数字で表すこともあります。数字が小さいほどカーブの曲率が厳しいです。
・ウォール
英語の「wall(壁)」のこと。ウォールを使った独創性の高いトリックとして、ウォールへ滑りあがり滑走する「ウォールライド」や、ウォールに向かってオーリーをする要領でウォールを飛び越える「ウォーリー」などがあります。
・カーブ
英語では、「curb(縁石)」。カーブは、レールなどとともにグラインド、スライド系のトリックに使われます。デッキやトラックなどを使ってレールを滑走するのを基本に、さまざまなトリックがあります。
・ギャップ
英語では、「gap(隙間)」のこと。小さい段差などもギャップです。ギャップ越えの際は、ノーズをあげ、デッキの中心付近にギャップが来たタイミングで重心を素早く前方に移動します。ギャップを下りる際は、前のウィールを浮かして前輪と後輪を同時に着地しましょう。
・キンク
英語の「kink(よじれ)」のこと。ハンドレールの途中で角度が変わっている部分のことで、途中に踊り場がある場合や、手すりの最初と最後などに多い傾向です。トリックが失敗しやすいポイントですが、難易度が高いだけに華やかなメイクが期待できます。
・クォーター
英語の「quarter(4分の1)」のこと。パーク内には、円の4分の1を切り取ったようなアールセクションが多く見られます。Rやランプのコーピングにテールを引っかけてセクションにエントリーする「ドロップイン」を練習する際に活用できます。
・コーピング
アールとプラットフォームとが交わる、縁の部分に埋め込まれている金属パイプを指します。アールを昇りきったあとに、スケートボードの前後のトラックをコーピングに引っかけて体制を整えてから再び滑り出す「アクスルストール」などに活かせます。
・コーン
工事現場などでも用いられる三角形のコーンのこと。パイロンとも言います。立てて使うほか、倒したり重ねたり先端にバーをはめたりすると障害物になります。比較的安全にオーリーや高いセクションにチャレンジできます。
・ステア
英語の「stair(階段)」のこと。ステアを越える方法は、テールに荷重をかけて滑り降りる「ファイアークラッカー」があります。また、「オーリー」になれていれば、ステアを一気にジャンプして飛び越えることも可能です。
・ストリート
街中でスケートボードを楽しむスタイルです。従来、スケートボードは平地でのみ行われていました。1990年代になると街中のエッジやハンドレール、ステアなどを活かしてスケートボードを楽しむストリートスタイルが登場し、競技名にもなっています。
・スパイン
アールの背面を合わせて作られた形状です。英語のスパイン(spine)には、魚の背骨の意味があり、エッジ部分のコーピングが背骨のように見えることから名づけられています。アールの頂点にプラットフォームがないため、乗り越える際の難易度も高めです。
・パイプ
アールが完全に連続して円状になっているセクションのこと。または、コーピングのエッジ部分に設置されているパイプそのものを指します。パイプ単体の場合は、デッキの中心でスライドするトリック「ボードスライド」などに活かされます。
・バーチカル
英語の「vertical(垂直)」のこと。コーピング付近の傾斜が地面に対して直角になっている大型のハーフパイプもバーチカルと言います。着地の衝撃が強くなるため、ウィールの横幅は太め、トラックはHIタイプを選ぶと安定しやすくなります。
・バンク
傾斜全般のことで、英語の「bank slope(傾斜)」が略されてバンクと言われています。「降りて乗る」「バンク側面を利用してスケートボードをロック」「バンクの途中で逆向きに移動(フェイキー)」など単純な傾斜でもさまざまな楽しみ方があります。
・パンプ
起伏の激しい波状のコースのこと。単に波状なだけではなく、バンクがついて斜めになっている場合もあります。パンプでスケートボードを乗りこなすには、勢いだけでなくひざを使って遠心力を活かすパンピングの技術が必要です。
・ピラミッド
ピラミッドの上部を地面と平行に切り取ったような四角錐台形状のセクションが一般的。バンクが4方向にあるため、それぞれの方向からエントリーできるのが特徴です。なかには4面以上のバンクがある多面体のピラミッドもあります。
・ハンドレール
階段などの手すりのことで、ストリートでは欠かせないセクションの一つです。丸レールや角レールがあり「ボードスライド」「スミスグラインド」など数多くのトリックが楽しめます。ケガ予防として、はじめはスケートパークの低いレールを使いましょう。
・プール
アメリカなどで使われている家庭用プールは、内部が滑らかに作られていることが多く、スケートボードで滑れる場合も。スケートパークでは、ボウルというセクションになっている場合もあります。
・フラット
英語の「flat(平地)」のこと。スケートボードのフリースタイルでは、セクションを使わず平地のみで表現します。トリックの種類は、片方のウィールで回転する「スピン」やノーズとテールを交互に前に出しながら移動する「エンドウォーク」など多数あります。
・プラットフォーム
ランプやバンクなど最上部にある平地で、人が立てるスペースがあります。プラットフォームから滑り降りる方法として、コーピングにテールを引っかけた状態から滑り降りる「ドロップイン」やテールを引っかけずにそのまま滑り降りる「ロールイン」などがあります。
・ボックス
箱型のセクションのこと。「フロントサイド ボードスライド」のようにデッキで滑るスライド系や「フロントサイド 50-50グラインド」のようにトラックで滑るグラインド系の練習に活用できます。
・ボトム
セクションのうち最も低くなっている場所がボトムです。「ドロップイン」の場合、アールでは前傾姿勢をとり重心を前に移動しますが、ボトムに差しかかったタイミングで姿勢と目線を素早くもとに戻します。
・ボウル
ボウルは、スケートボード用にプールから派生してできた形状。シンプルなすり鉢状のプールです。はじめは、上からロールインするのではなく下からプッシュして滑り出し、低いアールをたくさんこなすことで重心移動の感覚をつかみましょう。
・マニュアル台
低めのボックスで、「オーリー」や「ノーズグラインド」などマニュアル系のトリックの練習に役立ちます。マニュアルとは、テールまたはノーズどちらか片方のウィールで走ることで、重心のコントロールが重要です。
・モヒカン
斜めのバンクを背中合わせに2つ組みあわせて作られた「バンクtoバンク」に設置されているレールのこと。バンクの中央に設置されることが多く、髪型のモヒカンに似ていることから名づけられています。
・ランプ
両側にアールがついていて、プッシュしなくても滑り続けることが可能です。ランプ自体の大きさが小さければミニランプ、大きければメガランプと言われる場合もあります。また、アールのセクション部分を指してランプという場合もあります。
・レール
ハンドレールをもとに高さを抑えて設計された棒状のセクションのこと。断面は、丸の場合や角の場合があり、直接地面に置かれている場合はフラットレールと言われます。スライドやグラインドは、レールで練習をはじめるのが安全に上達するポイントです。
まとめ
スケートパークには、スケートボードで楽しめるトリッキーなセクションがたくさん用意されています。パークの設備の特徴を知ることで、自分に合った場所や練習方法を検討しやすくなるでしょう。スケートパークごとのルールや、スケートボードのマナー、自分のスキルなどに配慮しつつ、お気に入りのセクションでスケートボードを楽しんでください。