デカ波も怖くない…ドルフィンスルーの方法を徹底解説!プロが意識しているポイント

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パドリング中に大きなうねりや波が来た場合は、ドルフィンスルーでやり過ごすと目指すポイントまでより早くたどり着けます。この記事では、ショートボードサーファー向けにゲッティングアウトに役立つドルフィンスルーのコツをご紹介します。大きい波でゲットできるようにポイントを掴みましょう。

そもそもドルフィンスルーって何?

ゲッティングアウトとは、パドリングで沖に出ていくことです。また、ドルフィンスルーは、越えられない波がきた場合に、波下に潜って波をやり過ごす方法です。できるだけ早く沖に出てテイクオフするために、必ず身につけておきたいテクニックの一つです。海外では、アヒルに例えてダックダイブとも言われます。

ドルフィンスルーが必要になるのは、パドリングしていく途中に最も高いうねりがある場合です。そのほか、まだ岸の近くにいてスープ(波が崩れたあとにできる泡だった白波)を越えたい場合や、ピーク(波が崩れるポイントのうち最も高いところ)やリップ(まさに今波が崩れそうになっている先端部)に巻き込まれそうになった場合にも、ドルフィンスルーで波をやり過ごします。

ドルフィンスルーの方法

ドルフィンスルーは、4つのステップで行います。

・パドリングで加速する

波待ちのようにただ浮かんでいるだけでは、波に押し戻されてしまいます。パドリングでしっかりとスピードをつけることで、進みたい方向へ推進力を得ることが可能です。

・ノーズを沈める

波が目の前にやってきたタイミングを見極めて、両手でサーフボードを押さえつけてノーズの先端を海面に刺すように沈めます。

・テールを蹴って体をボードに密着させて潜る

サーフボードの先が沈み込んだのと同時に、自分も水中に潜ります。潜りこむ際は、つま先をテールに付けた状態からテールを蹴り、全身をサーフボードへ押しこむようにすると沈みやすくなります。

・浮上する

波が通り過ぎたタイミングで、ボードと一緒に浮き上がります。水中では、タイミングを見計らい、波が自分の上を越えたときにノーズを少し上げて、前にサーフボードを送り出すようにすると、浮力で波の裏側に抜けられます。

ボードが沈まない理由はこれ!ドルフィンスルーでしてはいけないこと

「ドルフィンスルーは、ボードと一緒に波下に潜る方法」ということは知っていても、いざやってみると「波に押し戻される」「うまく沈み込めない」などと苦戦するケースが多く見られます。

ドルフィンスルーに慣れて、いつでも簡単にできるようになるまでは、正しいボードの沈め方を確認しながら、陸上でイメージトレーニングを続けることが大切です。ここではボードがうまく沈まない原因についてみていきましょう。

スタミナ切れを起こしている

ドルフィンスルーは、4つのステップで行います。

ドルフィンスルーの方法でご紹介した通り、的確に波をやり過ごすには「しっかりとパドリングで推進力を得る」「体勢を整えて潜りこむ」といったことが重要です。ボードが沈まない原因は、ボードと体の向きが波の方向と合っていないかもしれません。

ドルフィンスルーで沈み込む際、ひじを伸ばしてサーフボードのノーズ部分に体重をかけますが、ある程度筋力がなければ、潜り続けることは難しいでしょう。また、ボードが傾いていても浮力に負けて浮き上がってしまいます。

安定してボードに乗るためには、持久力をつけることをおすすめします。また、バランスを崩さないよう体幹を鍛えることも欠かせません。筋トレをする場合には、腕立て伏せが効果的です。

失敗しても板を離さない

もし、ドルフィンスルーに失敗した場合は、自分だけ潜るのではなく、板を離さないように注意をしましょう。そもそも海に入る際はボードの流れ止めにリーシュをつけるのは前提ですが、切れたり外れたりする可能性があります。

不用意に飛ばしてしまったサーフボードが、他のサーファーにぶつかったら大変です。ドルフィンスルーで失敗した場合には、できるだけ早くボードに戻り次の波に備えてパドリングの体勢をとりましょう。

ドルフィンスルーで意識すべきこと

ドルフィンスルーの方法を身につけるには、タイミングの見極めと潜る体勢の維持が重要です。動画を撮っておいて、後で波の様子と見比べてみるのもおすすめです。

潜るギリギリのタイミングまでパドルする

パドリングの際は、「ある程度勢いをつけておけば大丈夫かな?」と手を抜かず、潜りはじめるギリギリまでパドリングをして推進力をつけましょう。勢いがあれば、スムーズに水に潜れるほか、パワーのある波にも負けずにやり過ごせる可能性が高くなります。

何度もドルフィンスルーをしていると疲れてしまうものの、スピード感を失わないようにしっかりとパドルをしてタイミングを見極めます。波のトップが崩れ始め、スープが身体にかからないタイミングを狙ってさっと潜ることが大切です。

沈み込む際は手をノーズ寄りに置く

サーフボードを沈めやすくするには、重心をうまく活用することが大切です。テイクオフでボードに手をつく位置よりも、少しサーフボードの先端側に寄せるようにするとノーズが波に向かって傾き沈みやすくなります。そこで、腕ごと体重を乗せて重心を移動すればサーフボードは自然に水中へ潜って行きます。

ただし、手のつく位置がノーズに寄りすぎると、体重を乗せる際に力がうまく入りません。また、一気に体勢を変えるため、サーフボードに余計な力が入ってバランスを崩さないように注意しましょう。ボードが左右にぐらついたり、バランスを崩したりしがちですが、サーフボードは強く握りすぎず、軽く添える程度が理想です。

波のサイズやパワーを合わせて潜る深さを検討する

ドルフィンスルーは、いつでも同じ方法ではなく、波の様子を見極めて潜ることが大切です。波のショルダー(波の切れ目になる面)にノーズが入れば、それほどボードを深く沈めなくても波下に潜れるため、あまり体力を消費しません。ドルフィンスルーをする場合は、波のうねりからショルダー部分を見極めましょう。

ただし、波が崩れたばかりのパワーのあるスープ(波が崩れて起きる白波)を避けてドルフィンスルーをする場合は、波の勢いが強いためボードを深く沈めなければ潜れません。インパクトゾーンとは、波が崩れるリップの部分と、波の一番下のボトム面とが合わさる場所のことです。

オーバーヘッドサイズのスープができている場合は、特に注意しましょう。

ゲッティングアウトは潮の流れの見極めが重要

サーフィンを楽しむためには、まず沖に出なければなりません。しかし、長時間パドリングとドルフィンスルーを続けていると、実際波に乗りはじめる前に疲れてしまうかもしれません。

海の波は、規則正しく寄せているわけではなく、ランダムに

流れが異なります。ゲッティングアウトの際は、潮の流れ(カレント)を見極めることが重要です。カレントは、沖へ流れようとする強い潮の流れで離岸流とも言われます。

カレントは、地形や風向きなどによっても変わるため、沖へ直進するつもりでも想定外の場所へ流されたり、テトラポットなどに近づきすぎたりする危険性があります。目的のポイントへ最速でたどり着くためには、ただ体力をつけてまっすぐパドリングをするだけではなく、潮の様子をよく観察することも欠かせません。

まとめ

ドルフィンスルーは、波下に潜り岸へ戻されるのを防ぐ方法です。ボードには浮力がありますが、タイミングや波の様子を見極めてノーズを波に入れて潜りましょう。ドルフィンスルーは、ある程度の筋力も必要です。

もし、うまくいかない場合は、波の見極め方や潜るタイミングにあるかもしれません。サイズのある波や、パワーのある波は深く潜るなどコツを踏まえて、パドルのスピード感を失わずに沖まで進みましょう。

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