ショートボードの選び方を伝授!ノーズやテール、素材、アウトライン、浮力を把握して自分好みのサーフボードを選ぼう

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ショートボードには多くの部位があり、自分のレベルや楽しみたい波にあわせた形状を選ぶことが大切です。この記事では、ショートボードの種類やそれぞれのスタイル、機能についてご紹介します。ショートボード部位ごとの特徴を知り、自分にあったショートボードを選びましょう。

初心者はどのようにショートボードを選ぶべき?

サーフボードは、自分にあわせてオーダーする文化があります。部位ごとの名称や機能を理解していなければ、何のことだかわかりにくい場合もあります。各々の素材や形状が少し違うだけで、操作性が大きく変わります。

・アウトライン(サーフボードの全体の輪郭)

ショートボードのサイズは「6’0”×20.50”×2.86”」などのように長さ、幅、厚さがインチ、またはフィートの単位で定義されるのが一般的です。幅が広いほど浮力が増し、ノーズ(サーフボードの先端)幅やテール(サーフボードの末端)幅・最大幅の位置の違いも安定性や回転性に影響します。

・ロッカー(ボードの反り具合)

大きいほどターンしやすく、少ないほどスピードが出やすくなります。

・ボトム(ボードの裏側)

水と接する部分なので、ボトムの形状によりスピードや回転性が変化します。初心者のうちはフラットやラウンドタイプがおすすめです。

・デッキ(サーフボードの足を乗せる表側)

断面がドーム型になっているとエッジを利かせやすいですが、初心者は浮力が稼げるフラットタイプがおすすめです。

・フィン(ボトムについているヒレ形状)

形、サイズ、厚さ、素材により乗り心地や操作性が変わります。フィンが厚ければ安定しやすく、小さいフィンや柔らかいフィンは機動性が高くなるのが特徴です。

サーフボードの横部分のレール…加速やターンに影響あり

レールは、サーフボードの側面にあるエッジのことで、波に出し入れする際の抵抗や反発力を使って加速やターンアクションを行います。前足側は、レールが比較的丸く柔らかいため、水をよく掴みます。テール側のレールは、比較的角ばっているため、水を逃がす役割があります。

一般的にレールの厚さは、コントロールのしやすさが関係します。

・薄いレール

体重が軽い、脚力が弱い場合におすすめです。

・厚いレール

体格がよい、脚力が強い場合におすすめです。

また、サーフボードのレールは主に3種類あります。

・ロー(テーパー)

レールの落とし込みが最も強いレール形状です。レールエリアの反応がより高く、筋力がなくても繊細な動きができる一方、加速性に劣り浮力が落ち気味になる特徴があります。

・ミディアム(ソフト)

レールの形状がボキシーとローの中間のものです。コントロールしやすく、パワーを出したい場合にもバランス良く対応できることから、多くのサーフボードに採用されているおすすめの形状です。

・ボキシー

ボキシー(Boxy)は、「箱のような」という意味があり、最も厚いレール形状です。浮力が強くターン時の反発力も大きいため脚力が必要ですが、ターンに欠かせない反発力をボードからひねり出せるため、小波でも乗りこなしやすいです。

安定性など影響を与える長さ、幅、浮力、素材

初心者がパドルやテイクオフなどの基本動作を行うには、ボードの安定性が重要です。一般的にボードは、より長さがあり幅が広いほど浮力が稼げます。そのため、浮力の目安がCL数で表現される場合があります。

例えばCL値が35.5clの場合、適正体重は50~68kg、CL値が38.0clの場合は適正体重が60~75kgとCL値が大きいほど、乗りこなすためには、ある程度大きな体格が必要です。昨今は、新素材としてカーボンファイバーを使ったサーフボードも登場しています。

しかし、主に芯材になる素材は PU(ポリウレタン)とEPS(エクスパンダブルポリスチレン)です。

・PU

PUはポリウレタンのことで、最も実績がある素材です。発砲ポリウレタンで成形した芯材をガラスクロスで包み、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂で表面をラミネート加工します。施工性やメンテナンス性が高く、風の影響を受けにくい一方、凹みやすく割れやすいです。

・EPS

EPSは、エクスパンダブルポリスチレンのことです。ビーズを発砲させて成形し、PU同様にガラスクロスとエポキシ樹脂でラミネート加工するものと、エポキシ樹脂や塩化ビニルの素材を層状にして強化するものがあります。また、ボトムやデッキのストリンガー部にカーボンで補強する場合もあります。

軽量で強度、浮力感、反発感が高い一方で、メンテナンス性が低く紫外線により黄ばみやすい点が特徴です。風の影響を受けやすく高価になりやすい傾向もあります。

コントロールに影響を与えるテールの種類と特徴

テール形状は慣れてくると好みで選べますが、初心者はバランスがとれたスカッシュテールがおすすめです。ここでは、それぞれのテールの特徴を見ていきましょう。

・スカッシュテール

角がありコの字型になっている形状で、角ばりの強い順に「スクウェアテール」「スカッシュテール」「ラウンドスカッシュテール」があります。テールの面積が大きいほど安定しやすいため、後ろ足の踏み込みで波の力をスピードに変えやすいなど、テールコントロール時に反応がよい点が特徴です。

・スワローテール

スワローとは、ツバメのことです。テールにW字型の切り込みがあります。切り込み部分から水が抜けるため、水の抵抗を減らして軽快にコントロールが可能です。また、ターン時にテールが波に食い込むため、クイックな反応が楽しめます。脚力が弱い場合や、小波でも楽しめる点が特徴です。

・ラウンドテール

丸みを帯びたU字型のテールです。スカッシュテール程ではないものの、安定感やホールド感があり、少しの荷重移動でソフトなターンが楽しめます。ただし、パドリングやテイクオフの際に不安定になりやすいです。テールコントロールに長けた上級者に好まれやすい形状となっています。

・ピンテール

ラウンドテールよりも、さらにテールの先端がとがっています。ホールド感が非常に強く、パワフルなビックウェーブ向き。大波を乗りこなすのに特化しており、デザインされたガンタイプのサーフボードに採用されることが多く、素早いレールの切り返しが特徴です。

加速やコントロールにも影響するボトムのコンケーブの種類と特徴

ボトムには、コンケーブと呼ばれる溝のようなくぼみを作る場合があります。コンケーブが深いほど、水の流れを活かした揚力を生みスピードが生まれます。一方で、波に動きが少ない場合は、失速しているような感覚に陥ることがあります。

・フラットボトム

コンケーブがないタイプです。ターンに癖がなく安定感があるものの、水の流れが分散しやすくスピードが出にくいです。

・VEEボトム

断面がV字型のボトムで、ボードの中心が最も高くレールに向かい、左右に形状が落とし込まれています。ボートが傾けやすく水を左右に分散できるため、ターンがしやすい点が特徴です。小波の場合は加速しづらく、ターンを繰り返してスピードを得ます。

・シングルコンケーブ

ノーズからテールまで1本のコンケーブがあるタイプです。踏み込むと水が多く集まり、コンケーブに圧力がかかるため、大きな揚力とスピードを生みます。テールコントロールのスキルは必要ですが、大きな波に大きなラインでドライブを利かせてパワフルなサーフィンが楽しめます。

・シングルダブルコンケーブ

ノーズからテールまではコンケーブが1つ、テールからテールエンドまではコンケーブが2つあるタイプです。シングルコンケーブで推進力を得て、テールのダブルコンケーブでコントロール性を高めています。比較的誰でもどんな波でも扱いやすいデザインです。

ショートボードの舵の役割を担うフィンの種類と特徴

ボトムのテール部分にあるフィンには、取り外しできるボックスフィンと固定されているグラスオンフィンがあります。取り外しができればサーフトリップ(サーフィン旅行)の移動に便利です。また、「多様なデザイン」「回転性に優れている」「軽量化されている」など、さまざまなフィンが試せます。

・シングルフィン

中央に1本フィンがあります。ロングボードに多く、古くから用いられているフィン構成です。スピード性や直進性に長けています。

・ツインフィン

左右対称の位置に1本ずつ計2本のフィンがあります。フィッシュボードに多く、大きな波にも対応でき、滑らかで長いターンが可能です。

・トライフィン

中央に1本、左右対称の位置に1本ずつ、計3本のフィンがあります。内側を平らにすることで、水をしっかりと捉え、スピード性を高めているのが特徴です。安定性や回転性に優れ、幅広いレベルのサーファーに使用されています。

・クワッドフィン

左右対称に2本ずつ計4本のフィンがついています。安定性があるほか、加速性やスピード性、回転性にも優れています。

まとめ

初心者がショートボードを選ぶ際は、基本動作のしやすさを重視し、体格や脚力などにあわせて選ぶことが大切です。アウトラインは大きいものが安定しやすく、レールはミディアム、テールはスカッシュを目安に脚力や体格を踏まえて選びましょう。

乗りたい波や、楽しみたいスタイルによっても、ボードの選び方が変わります。今回ご紹介した内容を踏まえて、お気に入りの1枚を選びましょう。

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