「ワックスなしではサーフィンはできない」といわれるほど、ワックスは必需品です。ところで、みなさんは季節や水温に合わせてワックスを変えていますか?「変えた方が良いのは分かっているけど選び方が分からない」という方も多いのではないでしょうか。今回は、季節や水温に合わせたワックスの選び方にスポットを当てます。
サーフボード用のワックスは季節と水温によって分ける!
サーフボードを購入したら、すぐにでも海に行って波乗りをしてみたくなるものです。ワクワクした気持ちもわかりますが、海に行く前にはしっかりと準備をしましょう。まずは、買ったばかりのツルツルのサーフボードで足をすべらせないように、ワックスを塗らなければなりません。
サーフボードには、ベースコートを塗り、その上にトップコート用のワックスを塗り重ねるのが基本です。サーフボードの下地となるワックスは、「ベースコート」の1タイプのみ。一方、トップコート用ワックスは、ブランドによって数種類取り扱うところもあり多少異なり、一般的に「TROPICAL」「WARM」「COOL」「COLD」の4タイプがあります。
それぞれのワックスには、適した水温があるため、使い分けが必要です。ワックスが水温や季節に合ったものでなければ、ワックス本来の持ち味が発揮できません。水温に合ったワックスではない場合、「ライディング中にスタンスがズレる」「スタンドアップで手がすべる」といったことが起きてしまう可能性があります。
冬向きのワックスを夏に使用したら?
ワックスの主成分は、石油や天然油などブランドによって異なります。しかし、いずれにしてもオイルで作られており、熱に敏感なのが特徴です。例えば冬向きのワックスを夏に使用してしまうと、ワックスが溶けてしまいます。
ワックスがウェットスーツに付いたり、サーフボード上でのグリップ力が軽減してしまうなど、ライディングに支障が出ることが考えられるでしょう。さらに、車内に置いていたサーフボードのワックスが溶けて、車内やサーフボードのケースに付着して、汚れてしまうケースは珍しい話ではありません。
ワックスが溶けてしまうと、ベースコートから塗り直しすることになりかねません。
夏向きのワックスを冬に使用したら?
逆に、夏向きのワックスを冬に使ってしまうと、ワックスが硬すぎてサーフボードに付きません。そのため、ワックスの持ち味のグリップが発揮できず、安定感のあるライディングがしにくくなるでしょう。サーフィンを楽しむためには、季節や水温に合ったワックスの種類選びが非常に大切です。
季節の変わり目のワックス選び
サーフィン初心者の中には、季節の変わり目のワックス選びに迷う方が多いかもしれません。もし迷ったときは、暖かいほうのワックスを選んでください。なぜなら、冷たい水温で硬いワックスを使用すると、ある程度機能します。しかし、暖かい水温に冷たいワックスを塗ると、すぐにワックスが落ちてグリップ力が低下したり、思い通りにサーフィンができなくなるからです。
ワックス選びに自信がない場合は、季節の変わり目に1種類だけではなく、他のワックスも一緒に持って出かけるとよいでしょう。そうすることで水温に合わせたワックス選びができて安心です。
一年を通して使える「ベースコート」
ベースコート(ベースコート)は、トップコート用ワックスで最も硬いTROPICALよりも、さらに硬く作られた下地用のワックスです。年間を通して使用できます。ワックスは、1層で仕上げる時代もありましたが、近年はベースコートとトップコート用ワックスの2層で仕上げるのが一般的です。
2層に塗ることにより、トップコート用ワックスの効果を長く持続したり、グリップ力がアップする点が大きなリットといえるでしょう。ベースコートは、古いワックスを剥がし、1年で2~3回程塗り直します。トップコートのワックスを、塗り替えるタイミングでベースコートも塗り替えると効率が良いです。
ベースコートを塗り重ね、ワックスの粒で凹凸形状ができるまで塗ることが必要です。凹凸形状を作ることは、トップコート用ワックスだと思う方がいるかもしれませんが、実は違います。トップコート用ワックスは、サーフィン中に徐々に剥がれてしまいます。
また、やわらかいため、自身の体重でつぶれてしまう傾向があります。そのため、硬いベースコートで凹凸形状を作ることが大切です。根気よく塗りましょう。ベースコートの塗り具合で、トップコート用ワックスの仕上がりに違いが出てきて、サーフィンの上達を左右するという話もあるほど。きれいに仕上がったサーフボードで、サーフィンをする姿を想像しながら塗るりましょう。面倒に感じる気持ちが吹き飛びます。
水温目安25℃以上の真夏「TROPICAL」
ベースコートを塗り終わった後は、トップコート用ワックスの番です。最初に紹介するのは、水温目安25℃以上の真夏向きのワックス「TROPICAL」。TROPICALは、気温が高い真夏向きで、ワックスの中で最も硬く、溶けにくいことが特徴です。
水温が25℃以上になるのは、日本の場合7~8月くらいに該当するとされています。そのため、TROPICALを塗るタイミングは7月前くらいが適切といえるでしょう。夏になる前には、準備しておくことをおすすめします。
水温目安17~25℃の初夏や初秋「WARM」
「WARM」は、暖かくなりはじめた初夏や夏が終わった初秋におすすめのワックスです。比較的固めに作られているWARMは、水温目安は17~25℃くらい。日本の場合は、初夏や9~10月ごろ。少し肌寒い時期、ワックスがやわらかいと感じたらWARMを選ぶと良いでしょう。
水温目安12~20℃の春や秋「COOL」
「COOL」は、12~20℃ほどで、水温が低めになってきたころの使用が適切なトップコート用ワックスです。日本の季節でいえば、秋~初冬、または水温が上がる前の春ごろ。3~6月や、冬のはじまりの10月くらいに使え、使用可能期間が長いところがCOOLの特徴です。
水温目安14℃以下冬の寒い時期「COLD」
「COLD」は、寒い冬もサーフィンを楽しむ方に必要なワックスです。水温が14℃以下になったら、COLDにチェンジしましょう。COLDは、ワックスの中でもやわらかい傾向です。水温が下がってもワックスが固まりにくいので、グリップ力の低下を防ぎます。外気が寒くて、サーフボードにワックスがつかないということがありません。
まとめ
季節や水温に合わせたワックスの選び方は、マスターできたでしょうか。ワックスの選び方をマスターすることが、サーフィン上達への近道となるかもしれません。紹介した情報を参考に、自分に必要なワックスを買いそろえて使い分けてください。またサーフィン初心者だけでなく「足がすべってサーフボードから落ちてしまう」「テイクオフのポジションがつかめない」といったときは、ワックスが季節や水温に合ってないことが考えられます。そういった場合に、改善される可能性が高いため、紹介した情報を参考にワックスを変えてみてください。