サーフィンで着用するタッパーのお手入れ方法を伝授

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出典:マルリィ / PIXTA

サーフィンをプレイする際に欠かせないのが、ウェットスーツです。ウェットスーツのなかでも、上半身だけを覆うものを「タッパー」と呼びます。自分にフィットしたタッパーであれば、できるだけ長く使いたいもの。今回は、タッパーを長く使うためのお手入れ方法などについて解説します。

サーフィンで着用したタッパーお手入れどうする?

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タッパーはデリケートな素材でできています。ここではどのような素材であるかということや、お手入れの方法について説明します。

タッパーの素材

タッパーは、主にクロロプレン合成ゴム(ネオプレーン)でできています。これは、天然ゴムに代わって開発されたゴムで、耐候性、耐熱性、耐油性、耐薬品性などに優れた特徴があるバランスの良い素材です。その特性から、ウェットスーツだけではなく、自動車部品やケーブルなどにも使われています。

ただし、中温域であっても長時間放置すると弾性を失ってしまうため、サーフィンで使うたびに劣化する点はデメリットです。しかし、正しい方法でお手入れを行っていれば、劣化の進みを遅らせて、長持ちさせることも期待できます。

タッパーのお手入れ方法

最も大事なことは、海水で受けたダメージを避けるため、使用後はすぐに水洗いし、乾燥させることです。劣化したタッパーは、耐寒性などのパフォーマンスが落ちてしまうことから、そのまま使い続けることはおすすめできません。

そうならないように、タッパーのお手入れを丁寧に行い、長年愛用できるようにしてください。

タッパーの洗い方

タッパーは、デリケートな素材でできているだけに、洗い方にも注意が必要です。ここでは、タッパーの洗い方について確認していきましょう。

終わったらすぐに必要なこと

サーフィンを楽しんだあとは、すぐに水洗いすることをおすすめします。海水を含んだまま放っておくと、ゴムが劣化したり雑菌が繁殖したりする原因となるため、真水で海水を取り除くことが大切です。さらに、車内に置いておくことも厳禁です。特に、夏の時期の車内温度はかなり高く、長時間放置すると、劣化してしまいます。

また「冬などに真水を使うのは冷たすぎてどうしても洗いにくい」という場合は、ぬるま湯でも問題ありません。しかし、生地の劣化が進んだり、接着面がはがれたりする危険性があるため、絶対にお湯は使用しないでください。タッパーは、デリケートなアイテム。洗濯機や乾燥機で洗うことはもちろん、ドライクリーニングも厳禁で、手洗いが大原則です。

シャワーで流すと楽ですが、中に入り込んでいる海水を取り除くためには、やさしくもみ洗いをする必要があります。まずは、真水で軽く砂や海水を洗い流した後、浴槽やバケツなどに容器に水をためておき、そこにつけた状態でもみ洗いしましょう。その際は数回程度水を換えてください。

ジッパーがあると砂などがはさまってしまい、壊れる可能性があるので、丁寧に手洗いします。また、マジックテープを使った部分を開けたまま洗うと、傷みの原因となりかねません。そのため、マジックテープ部分は閉じた状態で洗い流しましょう。さらに、数時間から半日程度、水やぬるま湯につけたままにしておいてもかまいません。

専用のシャンプーや柔軟剤もおすす

近年は、ウェットスーツ用のシャンプーや柔軟剤が市販されています。真水で洗うよりも、除菌・消臭・劣化や硬化防止などの効果があるため、使ってみるのも良いでしょう。

漂白剤は色落ちなどの原因となるため、使用は厳禁です。シャンプーや柔軟剤を使う場合は、まず表面についた砂などを真水で簡単に洗い流します。次に、浴槽や大きなバケツに水をためてシャンプー剤を入れて、手でもみ洗いしましょう。

その後、真水だけに入れ替えて再びもみ洗いします。さらに、水を入れ替えて今度は柔軟剤を入れたところでタッパーをつけ置き。(時間は柔軟剤に記載されている説明書きの通り)所定の時間が経ったら、そのまま干してください。

その際、水で最後にすすぐ必要はありません。また、他の洗濯物のように水気を取ろうと思って絞ると、タッパーにダメージを与えてしまうのでやめておきましょう。

タッパーの干し方

丁寧に手洗いをしたあとは、タッパーの干し方について確認してください。

どこに干したら良い?

タッパーは、内側が乾きにくくなっているため、裏返しにした状態でハンガーにかけて日陰に干す必要があります。直射日光に当てると、タッパーが黄ばんだ状態になったり、ゴムの劣化などによって機能性が低下したりする原因となるので厳禁です。

洗った直後のタッパーは、水分を多く含んで重くなっています。通常のハンガーにかけると肩部に重みがすべてかかってしまい、「型崩れ」「肩抜け」「ハンガーの跡がつく」など、タッパーが劣化する原因となりかねません。

ハンガーの選び方も重要

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肩部にかかる重量を分散させるよう、肩の部分が広く作られたウェットスーツ専用のハンガーが販売されています。もし、肩の部分が広いハンガーを持っていない場合は、物干し竿に乗せて干してもかまいません。

ただし、一部分に折り目や癖がついてしまう可能性があるため、それが嫌な場合は、できるかぎり専用ハンガーを使いましょう。ウェットスーツの素材の特性から、表面は比較的短時間で乾くため、表面上は乾いたように見えます。

乾いているように見えても…

一見乾いているように見えても、タッパー内部は完全に乾いていない状態で湿っている可能性があります。そのため、1日ほどしっかりと風通しの良い場所で乾かしましょう。裏返してさらにもう1日、日陰に干して完全に乾燥させます。中途半端に乾かした状態で収納すると、臭いがついたりカビが生える原因となってしまいます。

タッパーの劣化が進行してしまうので、時間がかかっても必ずしっかりと乾かすようにしてください。

乾いたタッパーの保管方法

タッパーを洗い終わると収納しますが、その前に念のため、以下の点を注意してください。

収納する前にチェック

乾燥後、収納する前にタッパーが傷んでいないか、念のため確認してください。生地の継ぎ目のボンドがはがれていたり、穴などがあったりした場合は、修理を検討します。軽微なものであれば、ウェットスーツ用のボンドやメルコテープにより、個人でも修理は可能です。

収納の際の注意点

きちんと乾かし、傷んでいないことを確認した後は、収納の仕方にも気を配る必要があります。上述したように、肩の部分に負荷がかからないよう、肩の部分が広く作られたハンガーに吊るすのがおすすめです。ジッパーをしっかりと閉めるなど、できるかぎり着用時と同じ状態で保管してください。

もし、ハンガーを使用せずに折りたたんで収納した場合は、タッパーに折り目や癖がついてしまいます。タッパーは、Yシャツのようにアイロンをかけて伸ばせないため、そのままにしてしまうとシワとなり元に戻りません。見た目が良くなくなるだけではなく、機能の劣化にもつながりかねません。

収納場所にも注意

収納場所は、気温の変化が少ない冷暗所にしておくことが必要です。長期間にわたって気温変化が激しい場所や、直射日光が当たる部分に置いておくと、クロロプレン合成ゴムの劣化が進行するだけでなく、色落ちや黄ばみなどの原因となります。

さらに、高温多湿の場所も厳禁。雑菌が繁殖してしまう可能性があります。そして、他の一般的な衣類と一緒に収納すると、クロロプレン合成ゴムとの化学反応により、他の衣類が変色してしまう危険性もあるため、タッパーは他の衣類とは別で収納してください。

まとめ

今回は、タッパーのお手入れ方法について説明してきました。サーフィンをするたびに、毎回正しくタッパーを洗濯したり、保管したりすることは、「大変そうで面倒」と感じる方もいるのではないでしょうか。

しかし、タッパーはデリケートな生地でできています。そのため、ダメージを受けて効果が薄れたままの状態で、長く使い続けることはおすすめできません。ぜひ丁寧にメンテナンスしたうえで、長年愛用できるようにしましょう。

なお、洗い方や収納方法などについて、タッパーの取扱説明書に記載されている場合は、そちらも留意したうえでお手入れをしてください。

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