ガブリエルメディーナの魅力…ブラジルが生んだ史上最年少ワールドチャンピオン

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2014年に史上最年少の20才という若さで頂点に登りつめたガブリエルメディーナは、ブラジル生まれのブラジル人で初めてのワールドチャンピオンです。現在27才のガブリエルメディーナは、ドキュメンタリー映画化もされるほど世界中から人気を集めています。今回は彼の生い立ちなどをご紹介します。

ブラジル生まれのガブリエルメディーナは27才

ブラジル出身のプロサーファー、ガブリエルメディーナはやんちゃなイメージがありますが、母国ブラジルでは国民的英雄として絶大に人気を誇るプロサーファーです。そんなガブリエルメディーナの生い立ちから、プロサーファーになるまでを見ていきましょう。

ガブリエルメディーナの幼少期

ガブリエルメディーナは、1993年12月22日ブラジルのサンパウロで生まれました。幼少期のガブリエルメディーナの家庭は、あまり恵まれた環境ではく、6才の頃から母親のためにお金を稼ぐ方法を考えていたそうです。
幼い頃は、多くのブラジルの子どもと同じようにサッカーに夢中になっていましたが、9才のときに継父チャーリーの影響でサーフィンを始めると、それからはサーフィンにのめり込むようになりました。

アマチュア時代

サーフィンを始めたガブリエルメディーナはメキメキと頭角を現し、いつしかワールドチャンピオンになることを夢見ていました。
11才の時にはリオデジャネイロで行われたローカル大会で優勝をして、ブラジルではサーフィン界のルーキーとして注目されるようになったのです。

それからのガブリエルメディーナは、ブラジルのアマチュアサーフィン大会で何度も優勝し、世界中で開催されるアマチュア大会でも好成績を収めるようになりました。若いガブリエルメディーナは、世界中のサーファーの間でその存在を知られるようになったのです。

プロサーファーへの道

2009年7月、17才になったガブリエルメディーナは、リップカールとプロ契約を結び、アマチュアからプロサーファーへの道へ進んでいきます。この年のガブリエルメディーナは勢いに乗り、フランスやブラジル、スペインで行われた数々の大会を制覇し、多くのタイトルを獲得しました。
2011年にはエリートワールドサーフリーグツアーへの参加資格を得て、世界中で開催される大きな大会に参加できるようになり、大躍進をしていくのです。

そして2013年には母国ブラジルで開催されたワールドジュニアツアー(ASP)で優勝し、2014年にはワールドチャンピオンシリーズに参戦。史上最年少の若干20才で、ブラジル人初のワールドチャンピオンに輝きました。

史上最年少のワールドチャンピオンに!実力は本物

ガブリエルメディーナのサーフスタイルには賛否両論がありますが、常に勝つことを意識するスタイルは、見る人を引き付ける魅力があります。次に、ガブリエルメディーナを輝かせるスポンサーとシェイパーをご紹介しましょう。

ガブリエルメディーナのスポンサー「リップカール」

リップカールはサーフィンの本場オーストラリアに本社があり、クイックシルバーやビラボンと並ぶ世界的にも有名なサーフブランドです。創業は1969年と古く今から50年以上前に、オーストラリアのビクトリア州トーキーで、ダグ・ワーブリックとブライアン・シンガーの二人のサーファーによってサーフボード会社として設立されました。
会社のリップカールのロゴの由来は、ダグ・ワーブリックが購入したサーフボードに、「リップカールホットドッグ」が描かれていたのを見て、思いついたそうです。

創業当初はサーフボードを製造し、その後はダイビングのウエットスーツ技術を取り入れた高品質のサーフィン用のウエットスーツを生産し、世界のサーフウェアを牽引するブランドとなりました。リップカールは多くのワールドチャンピオンとスポンサー契約をしていて、最年少で優勝をしたガブリエルメディーナもその一人です。

ガブリエルメディーナのサーフボード

ガブリエルメディーナのサーフボードは、継父の友人のジョニーカビアンカがシェイパーとして長年のパートナーです。ガブリエルメディーナとジョニーカビアンカの付き合いは、彼が4才の頃に継父を通じてジョニーカビアンカと知り合います。シェイパーとしてガブリエルメディーナのサーフボードを手掛けるようになったのが、2008年の15才の時でした。

ジョニーカビアンカは、ガブリエルメディーナと同じくブラジルのサンパウロ出身で、シェイパーとして活躍していました。その後ヨーロッパへ渡り、ヨーロッパのサーフブランド「プーカス」のシェイパーとして働き、2016年に独立をしてスペインのザラウツに「カビアンカサーフボード」を設立。ガブリエルメディーナとは各CTに10本、年間で120本ほどのサーフボードを提供しているそうです。

ガブリエルメディーナが使用しているのは、ハードなアクションも可能な「DFK」と、マニューバー系のサーフボード「Medina」の二つのモデルです。

ガブリエルメディーナの賞金獲得金額

2018年にガブリエルメディーナが優勝したときの獲得賞金は、総額47.32万ドル(約5300万円)でした。2016年の獲得賞金や契約料などを入れると、総収入は550万ドル(約6億円)という、大きな金額になるそうです。

ドキュメンタリー映画化もされるほど人気…ガブリエルメディーナの魅力

ブラジルの国民的ヒーロー、ガブリエルメディーナの知られざる姿を追ったドキュメンタリー映画「Gabriel Medina」が、ブラジルのサブスクリプションサービスGloboplayにて公開されて話題となっています。
この1時間半のドキュメンタリー映画の中には、ガブリエルメディーナの幼少期からの秘蔵映像はもちろん、ブラジル人初のWSL世界チャンピオンを獲得したときの舞台裏、感動的なシーンがたくさん詰まっています。
ガブリエルメディーナのファンはもちろんのこと、今までガブリエルメディーナのことをあまり知らなかった人にも楽しめる作品となっています。

このドキュメンタリー映画は、ブラジル人映画監督のエンリケ・ダニエル監督が撮影しました。ガブリエルメディーナの母親やガブリエルメディーナへサーフィンを教えた継父のチャーリー氏をはじめ兄弟に友人、そしてガブリエルメディーナの親友で、ブラジルサッカー界の人気選手ネイマールなどが登場してガブリエルメディーナの魅力をたっぷりと伝えています。

メディアでのガブリエルメディーナの評価は二極化しているようです。それは、過去にツアー中に挑発的な態度やドロップイン問題などで、メディアによって取り上げられています。
ドロップインとは前乗りと言われ、サーフィンの中でもルール違反であり、ケガをするリスクを伴う危険な行為でもあるからです。もちろんガブリエルメディーナだけが問題となるわけではありませんが、こういった話題で何度かメディアに取り上げられているため、彼への評価が二極化してしまうと考えられます。
一方では、ほとんどの世界ツアーには家族を同伴して行くなどの家族思いの一面もあり、ガブリエルメディーナの周りの人間は、彼が人間味のある温かな人物であることを教えてくれています。

そして、彼が今までの実績やキャリアを手に入れるまでには、幾度のなく訪れる試練に苛まれ、その都度乗り越えてきた歴史があります。
ツアー中は常に落ち着いて集中をすることを心掛けて、トレーニングを欠かさず、毎日良い睡眠を取るようにすることで、パフォーマンスの向上をさせています。こういった見えない努力をするガブリエルメディーナの姿を、このドキュメンタリー映画は教えてくれています。

まとめ

ガブリエルメディーナが登場するまでは、ワールドチャンピオンと言えばアメリカやオーストラリアの選手が主流でした。しかし、今では複数人のブラジリアンサーファーが活躍しています。
そんな中でも、史上最年少でブラジル人初のワールドチャンピオンになったガブリエルメディーナは特別ではないでしょうか。
インスタグラムのフォロワーが800万人以上という人気・実力ともに兼ね備えたガブリエルメディーナの更なる活躍が今後も期待されます。

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