「サーフィンを始めよう」という人にとって重要なのは、サーフィンの基礎的な言葉やルールを身につけることです。ここでは、アウトサイドと呼ばれる沖側の波の特徴、アウトサイドで波待ちする際のコツについて解説します。サーファーの安全を守るルールを知って、サーフィンを楽しんでください。
そもそも「アウトサイド」とは?
そもそも、サーフィンの初心者にとっては「アウトサイド」の意味自体が理解できないかもしれません。一般的に「アウトサイド / インサイド」といえば、「外側 / 内側」を意味します。
しかし、サーフィンでは、波のブレイク場所が海の沖側にあることを「アウトサイド」、海の岸側にあることを「インサイド」と呼ぶのです。サーフィン用語としては、この他にアウトサイドとインサイドの中間ぐらいの位置となる「ミドルセクション」というものもあります。
サーフィンを行う際に「大きな波をロングライドしたい」と思うなら、アウトサイドで波を待つのが常識です。ミドルセクションやインサイドと岸側に向かうにつれて波面がクリーンでなくなり、テイクオフも難しくなります。
また、サーフィンのルールを覚えておくことも大切です。サーフィンでは「1つの波に1人(ワンマン・ワンウェーブ)」という基本ルールに加えて、「ドロップイン(前乗り)の禁止」といったルールがあります。
さらに、ライディング中のサーファーの走路に入らないことも重要です。沖のほうから波に乗っているサーファーの目の前を横切ることはできません。優先権があるのは、あくまでアウトサイドから波に乗っている人です。アウトサイドから波に乗った人を邪魔するような乗り方は禁止されています。
アウトサイドは「テイクオフの成功率が高い」「ロングライドが狙える」「波に乗っている最中に邪魔されない」というメリットがあるため、ローカルや上手なサーファーが多い場所でもあります。多くのサーファーの中でセットを待つのは、なかなか辛抱が必要でしょう。
しかし、アウトサイドでセットをつかみ、ロングライドするのがサーフィンの醍醐味とも言えます。状況をしっかりと見極め、よい波を見つける目を養うようにしましょう。
アウトサイドの波の特徴
沖でブレイクすればするほど波面がクリーンなため、アウトサイドの波はテイクオフしやすく、成功率が高いのが特徴です。サーフィンをするなら、アウトサイドで最もよい波がブレイクするのが常識であり、サーファー歴が長ければ長いほど沖合いのポジションで波を待つようになるでしょう。
アウトサイドの波は、インサイドやミドルセクションなどと比べると、波の数が少ないことも事実です。しかし、一度よい波に乗ると長く乗り継ぐことができ、グッドサーフへとつなげることができます。
ただし、アウトサイドの波に乗るためには、正しいパドリングやドルフィン・スルーをマスターすることが大前提です。これらをマスターしてアウトサイドに出られたとしても、もう一つの難関が待ち受けています。これが「波待ち」です。
波待ちとは、パドリングの状態でサーフボードにまたがり、乗れる波を待つことを言います。一見何もしていないように見えるかもしれませんが、波数が多いときなどにはかなり難しいです。次項目アウトサイドにおける波待ちのコツについて解説します。
アウトサイドの波待ちのコツ
慣れないパドリングの状態でサーフボードに横になっていると、腰や背中に負担をかけてしまい、体力が奪われがちです。また、目線が低いためうねりを早い段階で見つけにくくなってしまいます。
アウトサイドにおける波待ちのコツは、体力を消耗しにくい姿勢をとり、沖のうねりを発見しやすいよう工夫することです。サーフボードの上に乗る回数を重ねるうち、次第にリラックスできるようにもなってくるでしょう。
しかし、ここで紹介する波待ちのコツを頭に入れておけば、波に乗れる回数がさらに増えるはずです。波待ちを安定させるためには、手前にばかり目をやらず、遠くを見わたすようにしましょう。何をしているときにも、目線は遠くに持っていきます。
また、ノーズ寄りのレールをしっかりとつかんでおけば、慣れない段階でもバランスが取りやすくなるでしょう。さらに、海面から20cmほど浮いた状態をキープし、ノーズが少し見える状態であれば「波待ちのポジションは正しい」と判断してかまいません。
水中にあるひざから下を回してバランスを取り、このポジションを保つことができるようになれば、方向転換に際してもスムーズです。座る位置は、サーフボードの後ろ3分の1がベストだと言えます。
これらの点に注意し、安定して波待ちできるようになったところで、次に気をつけるのはその場所をキープすることです。次項では、波待ちする位置をキープする方法について解説します。
波待ちする位置をキープするためのコツ
波待ちするのにベストな位置は、波が来やすい場所でもあります。「ここで波待ちしよう」と位置を決めたら、その場所をしっかりとキープしましょう。そうすることで、波乗りできる確率はアップします。
また「気がついたときには、はるか沖にいた」という事態を防ぐ効果も期待できます。ポジションをキープするためには、まず目印を作ることが重要です。目印がはるか遠くにあってもかまいません。できれば、岸側と横方向の2ヵ所に目印を作っておきましょう。
その目印を常に意識しておけば、自分のポジションをキープしやすくなります。また、波のサイズが大きくなるほど、潮の流れも強くなるものです。この他にも、潮の満ち引きや風の強さなどが要因となって、流れが強まる可能性があります。
知らず知らずのうちに流されないように、沖に出た段階で目印を作り「どの方向にどのくらい流されているのか」を確認しておくようにしましょう。こまやかにチェックをすることで、潮の流れの変化も察知しやすくなります。
波の動きを読むことが上達のコツ
サーフィンは、乗るべき波が絶えず変化していくことが特徴です。同じ形の波はありません。自然のままのフィールドにあって、自然にシンクロした動きをすることが重要だからこそ、波の動きを読むことが非常に重要なポイントになるのです。
ほどよい角度が長く続く波のことを「テイクオフしやすい波」と表現します。以下のような点に注意してスムーズにテイクオフできるようになれば、あとは波のリズムに合わせるだけです。
・アウトサイドでポジションをキープしながら、テイクオフしやすい波を見極め、波の動きに合わせてパドルする
・テイクオフしやすいようにサーフボードをしっかりと加速させておく
無理のないリラックスした姿勢がサーフボード上で取れれば、ななめに滑る心地よさを体感できるでしょう。また、サーフィンに向く波は、皆で共有していくことも重要になります。周囲のサーファーは、波を共有する仲間です。
アウトサイドで波待ちをしながら、コミュニケーションを図れば雰囲気も和やかになり、サーフィンもよりいっそう楽しくなるはずです。よい波に乗ることだけでなく、よい雰囲気で過ごせるかどうかにも気を配って、サーフィンを楽しみましょう。
まとめ
今回は、サーフィンの基本的知識の一つ「アウトサイド」について解説し、波を見極める大切さや波待ちするコツ、ポジションをキープするコツなどを紹介しました。よりテイクオフしやすい波を求めるなら「アウトサイド(沖側)へとパドリングする」「よいポジションをキープする」といったことが重要です。
ポジションのキープは、サーフィンをするうえでの安全性も高めてくれます。縦と横の2方向から自分の位置を常に確かめ、沖へと流されるリスクを低めつつ、よりよい波に出会う可能性を高めていきましょう。