プロサーファー「ロブ・マチャド」のエピソードや愛用ボードまとめ

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サーファーであれば、誰もが一度は聞いたことのあるロブ・マチャド。すでに、第一線を退いたと言っても世界2位という偉業を成し遂げ、現在でも多くのサーファーを魅了しています。ここでは、そんなロブ・マチャドのエピソードや愛用しているボード、サーフスタイルなどについて詳しくご紹介します。

 ロブ・マチャドの基本プロフィール

ロブ・マチャドは、1973年10月16日にオーストラリアのシドニーで生を受けました。身長は178cm、体重64kgと外国人としてはそれほど大きな体格ではありません。どこにでもいる子どもと同様に、学生時代はサッカーやバスケットボールなどのスポーツも楽しんでいました。

一方、家族の影響により9歳からサーフィンを始め、徐々にのめり込んでいくことに。サーフィンの才能があったのは、家系的な要因もあったのかもしれません。ロブ・マチャドのいとこなどもサーフ雑誌に取材されるほどの実力を有しており、ロブ・マチャドもその才能を開花させていきます。

父親の故郷アメリカのカリフォルニア州にあるカーディフに移住後もサーフィンを続け、1986年にはU.Sサーフィン・チャンピオンシップのキッズ部門で優勝します。その後も躍進は続き、数々のコンペティションで上位を獲得し、1992年には衣料ブランドとなる「GOTCHA」が年間7万5,000ドルという金額でのスポンサー契約を提示しました。

当時18歳のロブ・マチャドは「巨額のスポンサー契約の提示に本当に契約をしていいのか」と悩んでしまいます。しかし、期待されていることに対するプレッシャーを感じながらも、契約書にサインをしてサーフィンのプロとしての道を歩み始めたのです。

プロになってからも、数多くの成績を残したロブ・マチャドは、スポンサー契約のプレッシャーの中で「サーフィンをすることが本当に自分のやりたいことなのか?」と悩み続けます。そして苦悩の末、ケガなども相まって2001年に引退を決意しました。

現在は、フリーサーファーとして活躍すると同時にサーフボードシェイパーとしても有名です。

ロブ・マチャドの独特なサーフスタイル

ロブ・マチャドのサーフスタイルは、非常に独特です。波全体を優雅に使いながら、スムーズかつ無駄のない動きは、見る人をとりこにします。一見すると非常にリラックスしながら波に乗っているようにも見えるので「簡単なのでは?」と思いがちですが、その技術は非常に難しく簡単に真似できるものではありません。

ロブ・マチャドのテクニックは、真似できなかったとしてもサーファーにとってはとても参考になります。しっかりとした波に乗っているにもかかわらず、スローモーションのように見えることもあるため、細部の動きをしっかりと見ることができ、お手本としてイメージトレーニングしやすいシーンも少なくありません。

この独特で個性的なサーフィンスタイルは、非常に多くのサーフィンビデオやサーフィンフィルムに記録され、多くのサーファーは「ロブ・マチャドのようになりたい」と練習に励んだのです。同様に人気の高いパワーサーフィンと対極のスタイルと言えます。しかし、ロブ・マチャドのリラックスタイルのサーフィンは一見の価値があるでしょう。

ロブ・マチャドの印象的なエピソード

ロブ・マチャドは、2001年にケガによって引退を決意しましたが、2012年までWorld Surf League(ワールドサーフリーグ)に出場していました。ロブ・マチャドの活躍は、1993~2000年。さまざまな大会の中でも特に印象深いのは、1995年のパイプラインマスターズの決勝戦です。

これに勝てばワールドタイトル、つまり世界1位の称号を獲得することができ、相手は親友でもあり最高のライバルでもあるケリー・スレーターでした。準決勝でのロブ・マチャドはまさに完璧な状況であり、ミスを犯さず見事なバレルメイクでパーフェクトなスコアだったと自身で評しています。

決勝の場面では、最高の波の中で波から戻ってきたロブ・マチャドは、対戦相手であるケリー・スレーターにハイ・ファイブ(ハイタッチ)をしました。ワールドタイトルを決める大会で、なかなか対戦相手とハイ・ファイブをすることはありません。お互いが親友でありライバルという意識から、このような素晴らしいシーンが生まれたのです。

ロブ・マチャドは、残念ながらここでケリー・スレーターに負けてしまいます。しかし、最高の波の中で最高のライバルと一緒にサーフィンできる状況に感動して、思わずハイ・ファイブをしてしまったとのことでした。「サーフィンを楽しむ」という彼のスタイルを強く表現するシーンとも言えるでしょう。

サーフィンをこよなく愛するロブ・マチャドですが、実はかなりの回数にわたって来日しているのです。2003年には、福島県の相馬市にあるサーフポイント「カゲスカ」でダイナミックなサーフィンをして魅せてくれた「DRIVE-THRU Japan」というDVDも発売しています。

ロブ・マチャドの開発した楽しむためのサーフボード

ロブ・マチャドは、すでにプロを引退していますが、サーフボードシェイパーとして活躍の場を広げています。さまざまなボードを開発しており、かつては「アルメリック」というメーカーでパフォーマンス型のショートボードの開発をしていました。

現在は「FIREWIRE(ファイヤーワイヤー)」というブランドとともに、新しいサーフボードを制作しています。

「FIREWIRE」では、競技向けのサーフボードではなく、ロブ・マチャドのサーフィンスタイルを体現させるかのようなサーフィンを楽しむために追求されたサーフボードが展開されています。その中で代表的なボードをご紹介します。

・ALMOND BUTTER

5つのフィンボックスを搭載している遊び心満点のサーフボードです。組み合わせによってさまざまなサーフィンを楽しむことができるでしょう。楽しさを追求したボードですが、小さな波で楽しむだけではなく、サイズの大きないい波のときでもしっかりと波をつかんでサーフィンできるようなサーフボードに仕上がっています。

・CREEPER

一見古いように見えるボードですが、実際に1970年代のサーフボードでよく見られたデザインのボードです。テールが丸みを帯びていることから、ターンがとてもしやすいボードになっており、素早い方向転換で波を楽しむことができます。

・GO FISH

サーフィンに行きたいと思わせてくれるようなボードです。オーバーヘッドの波から、力のない小さな波でも面白いラインを流すことができる能力があります。さまざまな乗り方ができることから、今までと違うアプローチで、新しいラインの追求ができるとロブ・マチャドが評しているほどです。

その他にも「MOONBEAM」「MIDAS」「SEASIDE」「Seawolf」など、さまざまなサーフボードを開発しており、どのボードも大きな波から小さな波まで海を楽しみつくせるようなボードとなっています。

まとめ

ロブ・マチャドを知れば知るほど「彼がどれほど海を愛していたのか」「サーフィンを愛していたのか」を知ることができるでしょう。世界2位という称号を手に入れながらも、技術のみを追求しているのではなく、サーフィンをすることそのものを楽しんでいるスタイルには誰もが憧れていました。

サーフィンを楽しむためのボードも開発しているので、ぜひ使ってみてロブ・マチャドの世界を垣間見てみてはいかがでしょうか。

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