スキーはスノボよりも危険?ケガを防ぐ方法をチェック

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出典:pixabay

スキーはスピードがあり、高低差の激しいところでプレイする分、ケガのリスクは高く、場合によっては大きなケガにつながることもあります。今回は、スキーで起こりやすいケガについて取り上げながら、未然に防ぐ方法について説明していきます。

スキーのケガの防ぎ方

同じ冬のスポーツであるスキーとスノボでは、どちらでケガが多いのでしょうか。全国スキー安全対策協議会「2019シーズンスキー場傷害報告書」によりますと、事故の件数はスキーとスノボの割合がほぼ4:6と、スノボの方が多いことが分かります。

一方、ケガの重症度では、重傷である割合はスキーがスノーボードより3.5ポイント高い一方で、中等傷のケガは7.1ポイント低くなっています。原因としては、スキーのほうがスノボよりもスピードが出やすいため、大事故につながりやすいことが考えられます。

傷害があった部位については、スノボは肩や手首が多いですが、スキーはひざが圧倒的に多いという結果が出ています。スキーでは、ビンディングやスキー靴、スキー板で足首が固定されているため、転倒した際にひざをひねってケガをすることが多い傾向です。

ケガの種類としてはじん帯損傷や半月板損傷などが挙げられますが、一度ケガをすると治るまで時間がかかるため、できるだけ避けたいところです。そこで、ケガを予防するための方法について説明していきます。

スキーの前にはストレッチが必須

どのスポーツにもいえることですが、まずは準備運動が大事です。スキーは、当然寒い場所でプレイするため、筋肉は縮こまった状態。十分なストレッチを行わなければなりません。

準備運動というと、スポーツ前に軽く数分程度行うイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、プロのスポーツ選手は十分に時間をかけています。準備運動として効果的なのは動的ストレッチで、ラジオ体操やもも上げ、体中の関節を回すなど、激しい動きのものです。

また、一般的に静的ストレッチ(ゆっくりとももや筋肉を伸ばす運動)は準備運動としての効果は少ないといわれていますが、寒い場所にいることと、いきなり激しい運動を行うのを避けた方が良いことから、スキーでは静的ストレッチの後に動的ストレッチを行うことがおすすめです。

プロテクター・ヘルメットで身を守ろう

スキーのプレイ中に直接身を守ってくれるのは、プロテクターやヘルメットです。主なものは以下のとおりです。

ヘルメット

ヘルメットは格好悪いと思われがちですが、頭を守る重要なアイテムです。

ゴーグル

別にオシャレ目的ではありません。滑っているときに目に雪が入って視界が悪くなることや、紫外線による目へのダメージを防いでくれます。

上半身・下半身プロテクター

昔は動きにくいものが多かったようですが、最近は改善されてきています。衝撃吸収素材でできており、軽さと守りの固さを比べながら決めましょう。

手首ガード

初心者の場合は、転倒する回数が多くなりがちです。転んだ拍子に手をつくことが多くなるため、手首ガードは大切ですね。手首をひねってしまうことはもとより、転んで手をついたときのダメージも軽減できることから重宝するアイテムです。

エルボーガード

ひじの部分を守ります。上半身プロテクターに含まれている場合もあります。

ニーガード

最もけがの原因で多いひざの部分を守ります。下半身プロテクターに含まれている場合もあります。ただ、プロテクターやヘルメットはあくまでも衝撃を和らげるだけであって、100%ケガが防げるわけではありません。注意の上でスキーを楽しみましょう。

スキー器具のお手入れも重要

プロテクターなどで身を守るだけでなく、スキー用品自体を適切に使用し、お手入れや調整などで良いコンディションを保つことも大切です。

エッジ

ケガの原因でエッジが雪面にひっかかることがあったり、人とぶつかってケガを負わせたりする危険があります。スキー板を買ったときに削っておき、ふだんから調整できているかどうかを確認することをおすすめします。

ビンディング

スキー板のビンディングが「いざというときにブーツから外れるか」「ブーツが適切にフィットしているか」を確認しておきましょう。また、激しい動きをする場合は解放機能がある方が良いでしょう。

ゲレンデのコース選びも大事

準備を万全に行うプロでも、ケガをしたことがないという方はいないでしょう。ましてや、一般人であるわれわれの場合はケガの可能性が高くなります。まだ、十分にスキルを習得していないうちから難易度の高いコースを選んでしまうと、当然事故のリスクも高まります。

自分のスキルに合ったコースを選ぶことで、ケガの予防につながります。また、スキーは人との衝突が原因によるケガも多いため、混雑しているコースを避けて滑ることで怪我のリスクも軽減されます。

悪天候がケガを引き起こすことも

天候が悪いことが原因でケガや事故が起きる場合も少なくありません。霧や吹雪などで視界不良になってしまい、滑落事故や衝突につながる危険があります。また、「さっきまで晴れていたと思ったら急に吹雪になった」など、山の天気は変わりやすいため油断は禁物です。

また、気温が急に下がったり、強風が吹いたりすると運動機能が低下してしまい、いつもはできることができなくなったりすることも。事前の天気予報だけでなく、スキー場によっては公式サイトでリアルタイムに確認できるため、チェックしておきましょう。

暖冬のスキー場は注意!

地球温暖化といわれていますが、年によっては暖冬になる場合があります。地域によっては、雪が少なくなり営業ができないところもありますが、暖冬時のゲレンデは注意が必要です。本来、転んでもクッションになるはずの雪が少ないために地面の土が見えている部分があり、転んだときの衝撃が大きくなります。

また、雪が溶けて凍りつき、つるつるになって滑りやすくなることもあります。
さらに、雪が少ないことで滑れる場所が限定されることで、そのスキー場のコースに人が混みあってしまい、衝突事故が起こるリスクが高まります。そして、気温が上がると雪崩が発生する可能性が高まります。

まとめ

今回は、スキーでケガをしないための防ぎ方について紹介してきました。その他に注意すべき点としては、スポーツ全般に当てはまることですが、プレイ中は飲酒や薬物の摂取を避け、体調が万全な状態で臨んでください。

どんなに上達した方でもケガの可能性はあり、注意を怠ると複雑骨折などの大きなケガにつながります。せっかくの楽しいスキーを台なしにしないためにも、事前準備はしっかりしておきましょう。

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