ワールドカップの上位を占める世界トップクラスのスキーメーカーとして躍進を続けるフィッシャーとは、どのようなスキー板を作るブランドなのでしょうか。フィッシャーの魅力に迫ります。
フィッシャーやスキー板に関する豆知識
[Jag_cz]/[iStock / Getty Images Plus]/ゲッティイメージズ
フィッシャーは、ノルディックスキー・アルペンスキー・アイスホッケー用品を製造するオーストラリアのスポーツ用品メーカーです。
ノルディックスキー・アルペンスキーの双方のワールドカップで用具を提供している最大メーカーの1つでもあり、プロ・アマ問わず多くのスキープレイヤーに親しまれています。そんなフィッシャーの歴史について詳しく見ていきましょう。
フィッシャーの歴史
フィッシャーは、1924年オーストラリア・ザルツブルクの北東にある街でヨーゼフ・フィッシャー・シニアによって設立されます。
当時は、荷馬車を設計する傍、スキー板を製造していました。1949年には、それまでの手製から生産速度を上げるために、最初のスキープレス機を発明しました。このように、フィッシャーは古くからスキープレイヤーに愛され、常に時代の最先端をいく製品を作り出してきたのです。
最新カタログは公式サイトからチェック
そんなフィッシャーの最新アイテムが掲載されているカタログは、公式ホームページからチェックすることができます。
デジタルカタログでは、スキーブーツやスキー板など、フィッシャーの商品をおしゃれな写真とともにチェックすることができます。フィッシャーの最新アイテムをチェックしてみましょう。
ノルディックスキージャンプの葛西選手も愛用
日本が誇るスキージャンプ界のレジェンド、葛西紀明選手もフィッシャーのスキー板を使う選手として知られています。自身が「一度も浮気をしたことがない」と断言するなど、葛西選手が30年以上も愛用し続けているフィッシャー製品には、どのような魅力があるのでしょうか。
スキー板の種類と選び方
スキー板を選ぶ際には、どの種類のコースを滑るのかを考えて選びましょう。圧雪されたゲレンデ内を滑るのであればオールラウンドという種類のスキー板、ゲレンデ外などの圧雪されていないコースを滑るなら、オールマウンテン用の板など、コースによって選ぶ板が変わってきます。以下、スキー板の種類についてまとめました。
<スキー板 種類>
- オールランド・・・圧雪されたゲレンデを滑走するのに適したスキー板で、一般的に多くのスキープレイヤーが選ぶスキー板の種類です。ターンからターンへの切り替え時の操作性を重視したスキー板が多く、カービングスキーの中心ともいえます。初心者〜中級者まで幅広い層に適したスキー板です。
- オールマウンテン・・・圧雪されていないゲレンデ外のエリアや、深雪のゲレンデを滑るためのスキー板で、センターの幅が広く設計されているために深雪でも沈みにくいという特徴があります。圧雪されたゲレンデでも滑走可能なので、用途が広いスキー板といえるでしょう。
- レーシング・・・滑走タイムを競うためのスキー板です。速度を上げることに特化しているため、板のセンター幅が狭く設計されており、軸のブレを防ぐためにねじれに強い作りとなっているのが特徴です。
- フリースタイル・・・エアーやトリックなど、スキー熟練者が楽しむためのスキー板がフリースタイルです。難易度が高い技を行うために設計されている板のため、上級者向けのスキー板になっています。
その他、デモスキーやモーグルスキーなど、競技スキープレイヤー向けのスキー板もあります。レジャーとして楽しむという点では、価格帯的にも性能面でも不向きなため、一般的にスキーを楽しみたい人におすすめの板は、オールランドもしくはオールマウンテンの板だといえるでしょう。
人気のスキー板 2020-21
[JackF]/[iStock / Getty Images Plus]/ゲッティイメージズ
RC4 THE CURV DTX
フィッシャー製品の中でも一番のオールラウンドタイプと評判なのがRC4 THE CURV DTXです。スウィングウェイトが軽いため切り替えをスムーズに行うことができ、とても扱いやすく軽快に滑りを楽しめます。
人気のスキー板 2019-20
[pkazmierczak]/[iStock / Getty Images Plus]/ゲッティイメージズ
RC Fire SLR Pro Skis + RS9
クルーズを楽しむ幅広いレベルのスキーヤーにぴったりのモデルです。ターン性能のバランスが非常に良く、感覚を掴むのに苦労することはありません。
人気のスキー板 2018-19
ここからは、2018-19年度のフィッシャーで人気のスキー板について見ていきます。世界中の一流プレイヤーから一途に愛されるフィッシャー製品のニューモデルは、一体どんなスペックを兼ね備えているのでしょうか。
RC4 THE CURV CURVBOOSTER
2018-2019シーズンの新作は、ソールの素材が変更されたことによりフレックスが硬くなっているものの、曲がりにくさや乗りにくさを感じることがないように絶妙にチューニング。板の剛性に対してもしっかりとレスポンスがあるという特徴があるこの製品は、競技スキーヤーにも満足のいく仕上がりになっています。
RC4 WC SC
スピードが出やすい上に切り替えが非常にしやすいというのが『RC4 WC SC』の特徴です。板自体はかなり重いため、荒れた斜面でも雪に足元を取られることなく滑走することができます。スピードを出しながら豪快に滑りたい人にオススメのスキー板です。
柔らかくすっとたわむのにエッジグリップが強めで、しっかり板を食い込ませたままかなり小さめの半径でグイッと回っていける、さらにばね感が強く反発が速いと言う特徴があります。
人気のスキー板 2017-18
[JackF]/[iStock / Getty Images Plus]/ゲッティイメージズ
次は2017-2018年度、昨シーズンのフィッシャー製品をチェックしていきます。いろいろな年代の板をチェックして、自分にぴったりのスキー板を探しましょう。
PROGRESSOR
しっかりとしたフレックスのわりに、軽い操作性で回転操作がしやすいスキー板です。悪雪やコブの斜面で扱いやすく効果を発揮しますが、ハードバーンやスピード系ではターンが安定しないため不向きな板と言えるでしょう。最初からブンブン飛ばせるとは言いませんが、慣れれば安定した速さも出せる予感が十分にある板に仕上がっています。
RC4 WC SL WCP
スラローム・ワールドカップのために開発された『RC4 WC SL WCP』は、レース・プレートを搭載しているため抜群のスピードを誇ります。そのため、中級者から上級者向けのスキー板に仕上がっています。
トップからテールまでのエッジがみじんもずれないほどガッツリと捉えてすっと回る、良いカービングマシンです。板が捉えた後は、SL板っぽい小さめの旋回半径で、非常に楽に板がすっと回っていける板に仕上がっています。
人気のスキー板 2016-17
最後に2シーズン前、2016-2017シーズンのフィッシャー製品をチェックしていきます。
PROGRESSOR F18
フィッシャー製品らしいキレのある乗り心地で、スピードを出しても不安がなく安定した滑りができるのがこのモデルの特徴です。ユニセックスで展開されているため女性のプレイヤーにもオススメでき、中級からの脱却を図るプレイヤーにもオススメな上級エントリーモデルとなっています。
RC4 THE CURV DTX
このモデルの上位機種であるCURV BOOSTERとの外見上の違いは、プレートのみで、こちらのモデルはレーストラックを採用しているという特徴があります。一般的には、こちらのRC4 THE CURV DTXの方がソフトで扱いやすいため、多くの人が乗りやすいモデルです。
まとめ
世界中で愛され、昔から多くの人に愛され続けているフィッシャー製品の魅力は、ゲレンデの上で実際に使用したときに一番実感できるはずです。世界が認めているフィッシャー製品の鼓動を今シーズンは雪上で体感してみてはいかがでしょうか。
この他にもスキー板に関する記事があります。気になる方はチェックしてみてください。
最高のスキー板を選ぶなら!選定基準を明確にしよう